今回修正された脆弱性のうち2件は悪用されると、Windowsマシンが自らワームを生成するようになってしまう恐れがある。影響を受けるのは、「Client Service for NetWare」と「NetWare Driver」。Novell NetWareが稼動するサーバ上のネットワークサービスにWindowsシステムがアクセスできるようにするために、Microsoftが提供しているソフトウェアだ。これらのソフトウェアはデフォルトではインストールされない。
「NetWareのソフトウェアは無効にできるため、被害の拡大は抑えやすい」とSarwate氏は語っている。Microsoftはこの問題(MS06-066)を、同社の4段階の危険度評価のなかで「緊急」の次にリスクが高いことを示す「重要」に分類している。
Microsoftがこのたび修正したWorkStation ServiceとNetWareの脆弱性は、ネットワークセキュリティに関連した問題であったのに対し、ほかはクライアント端末側に存在する問題で、ユーザーが何らかの操作をしない限り悪用される恐れのないものとなっている。
セキュリティ情報MS06-068は、Microsoft Officeで動作したヘルプ機能のキャラクター「Clippy」で知られる「Microsoft Agent」に関するものとなっている。同社によれば、特別な細工がされた.ACF ファイルを処理する方法にリモートでコードが実行される脆弱性が存在するという。
WorkStation Service、NetWare、Agentの問題は、Microsoft以外には非公開で報告された脆弱性で、これらを悪用した攻撃はまだ報告されていない。しかし、Microsoftが今回修正した脆弱性のなかには、既に悪用が始まっているものもある。
Internet Explorerの「緊急」アップデートに関するセキュリティ情報MS06-067は、3件の脆弱性に対応している。うち2件は、既に悪用されている。セキュリティ情報MS06-071は「XML Core Services」の脆弱性に対処しており、同脆弱性の悪用も既に始まっている。
IE用のアップデートMS06-067は、特定のレイアウトで配置された HTMLの処理方法に関する、新たに見つかった脆弱性にも対応している。
Symantec Security ResponseのシニアディレクターAlfred Huger氏は声明で、「11月の月例パッチでは、悪用の事実が明らかになった問題が重点的に修正されている。攻撃者は以前より速いスピードで、公開された脆弱性を悪用するようになっている。ユーザーは、ソフトウェアパッチを可能な限り早くインストールし、システムを保護する必要がある」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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