攻撃者がWindows PCをWi-Fiコネクション経由で乗っ取ることを可能にするプログラムが、先週末にインターネット上で公開された。
このプログラムはチップメーカーであるBroadcomのドライバに存在するセキュリティホールを利用する。セキュリティ関連企業や専門家グループの勧告によると、このソフトウェアはHewlett-Packard、Dell、Gateway、eMachinesブランドのMicrosoft Windows搭載マシンで使われている。何百万ものシステムが影響を受ける可能性がある。
Symantecが米国時間11月13日、DeepSightの利用者に送った警告によれば、この脆弱性は、SSID( Service Set Identifier)と呼ばれる無線ネットワークのサービス名の不適切な取り扱いに起因するという。同社によれば、攻撃者は長いSSIDを作成することにより、脆弱性を持つPCへの完全な制御を獲得することができる。
また、同勧告によれば、脆弱性を持つPCを所有するユーザーは、パッチが利用できるようになるまで、影響のある無線デバイスの利用を停止すべきだという。
Zeroday Emergency Response Team(ZERT)と名乗るセキュリティ専門家のグループが発表した勧告によれば、この脆弱性は、Wi-Fiネットワークからのみ悪用可能で、インターネット経由では悪用できないという。これは、攻撃者が対象となるマシンの無線LANの有効範囲に近づく必要があることを意味する。これは一般には、屋内では150フィート(約46メートル)、屋外では300フィート(約91メートル)ほどの距離になる。
「もし近くにラップトップを持つユーザーがいれば、危険はある」とZERTの勧告には書かれている。「(Microsoft)Windowsはアクセスポイントや、ユーザー自身による何らかのアクションを介さなくても攻撃を受ける可能性がある。カードがバックグラウンドで無線ネットワークがないか探索することが、このセキュリティホールの引き金になる」と勧告にはある。
脆弱性を悪用するプログラムに関する情報は「Metasploit Framework」というセキュリティツールにも加えられた。このツールを利用すると、中程度のクラッキングに関する知識しかないユーザーでも攻撃を実行することができてします。このツールはセキュリティ専門家にも攻撃を行おうとする者にもよく知られているが、Metasploitの最新バージョンは、無線LAN関係ソフトウェアの脆弱性を検知する能力も持っている。
Broadcomの脆弱性を発見したのは、ワイヤレスネットワーキングのセキュリティを広範に研究するJon "Johnny Cache" Ellch氏。Ellch氏は今夏開催されたセキュリティ・カンファレンス「Black Hat」において、Wi-Fiセキュリティに関するプレゼンテーションを行い、物議をかもしていた。
Broadcomの広報担当Heather Robert氏が電子メールで発表した声明によると、同社は修正済みのドライバをハードウェアベンダーにすでに出荷しているという。問題の影響を受ける製品に対するアップデートは各ハードウェアベンダーから提供される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」