サンフランシスコ発--Googleの幹部Marissa Mayer氏は米国時間11月9日、当地で開催中のWeb 2.0 Summitで、Google Videoが成功を収められなかった分野でYouTubeが成功した理由について、ユーザーが自分の投稿したビデオをすぐに見ることができたからだ、と語った。
検索プロダクト&ユーザーエクスペリエンス担当バイスプレジデントであるMayer氏は短い講演のなかで「YouTubeでは自分のビデオをすぐに見られる。成功の理由はそこだった」と語った。
これとは対照的に、Google Videoに投稿したビデオは、審査を行って一般公開されるまでに2〜4日かかっていたと、Mayer氏は語っている。
Googleは、YouTubeを16億5000万ドルの株式交換で買収することを10月に発表している。
Mayer氏は、Googleが検索に関するユーザーアンケート調査を行い、デフォルトで何件の検索結果が表示されるとうれしいかを尋ねたときの失敗談を披露した。アンケートでは、多くの人が検索結果は多ければ多いほど良いと回答したという。そこで同社は、一部の検索に対し、結果を30件表示する実験を行った。しかし、検索結果を10件表示していたときより、30件表示するときの方が、応答時間が平均0.5秒長くなってしまった。結果、待ち時間に耐えられなくなったユーザーは検索を控えるようになってしまったという。
Mayer氏は、「これは非常に残念な結果だった。表示する検索結果を変えてはいけないことは明らかだった」と語っている。
同氏は、Googleはこの経験を自社のすべての製品開発に活かしたと述べる。「われわれがGmailでAJAX(Asynchronous JavaScript and XML)を用いることにした最大の理由は、スピードだった」(Mayer氏)。AJAXは、インタラクティブなウェブアプリケーションを開発するための手法。
Googleはあるとき、Google Mapsのページが100キロバイト以上にまで膨れ上がっていることに気づいたという。「そこでGoogle Mapsのスリム化を図り、容量を20〜30%にまで圧縮した」と同氏は述べ、変更に対するユーザーの反応は好意的だったと述べた。
インターネットユーザーは、すぐに結果を得られないサイトから去っていくと、同氏はいう。Web 2.0アプリケーションの成功の鍵を握るのは、スピードであるというのが同氏の結論だ。
Mayer氏はまた、モバイル分野での改良が必要であると述べる。モバイル端末のデータ転送速度は遅く、データの入力や、ウェブアプリケーションからの応答には時間がかかると同氏はいう。
「Google Maps for Mobileのようなアプリケーションは優れたプログラムだが、動きが鈍すぎる。スピードを高めるための改良が必要だ」(Mayer氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス