Texas Instruments(TI)は米国時間11月8日、2008年までに新興成長市場の消費者に安価なビデオ携帯電話を提供するためのチップを製造する計画を発表した。
「eCosto」というこのチップでは、ヨーロッパ、アジア、北米で販売されている携帯電話についているマルチメディア機能が、電話の基本的な通信や処理機能と同一のチップに搭載されている。TIはすでに「LoCosto」というチップを新興成長市場向けに製造している。LoCostoを利用すれば、携帯電話メーカーはいわゆるシングルチップ携帯電話を製造することができるが、このチップにはカメラなどその他の機能は含まれていない。
eCostoを搭載する携帯電話は、最終的な構成によっては、3メガピクセルのカメラと1秒あたり30フレーム撮影可能なビデオ機能を持ち、GSM、GPRS、EDGEの各規格をサポートすることになる。
LoCosto搭載携帯電話は、現在30ドル前後で、今後もその価格は低下するという。TIによると、20ドル以下の携帯電話が登場するのはそれほど先ではないという。eCostoチップを搭載する携帯電話も、同様に価格が下落していくと思われる。携帯電話本体の価格はサービス契約とのセットに含まれることが多いため、契約時に最初に支払うべき価格は低くなる。
ここ数年、エレクトロニクス企業は新興成長国の人々を対象とした製品を開発し始めている。これらの市場向けの製品は西欧向けのものよりも安価でなければならず、また、埃や不安定な電力といった困難に対応しなければならない。しかし、新興成長市場には膨大な数の潜在的なユーザーがいる。2005年の時点でインドにおけるコンピュータの普及率は、1000人あたり14台だという。
次に押し寄せる携帯電話ユーザー増加の波に最初に乗ることが、TIにとって重要課題である。同社は携帯電話向けチップ市場のシェアの大部分を占めている。新興成長市場でのパソコンの普及率はやや低いが、携帯電話市場は急速に伸びている。中国の人口10億人余りのうち約4億人が現在携帯電話を所有しており、今後数年で2ケタの成長率が期待されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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