PeopleSoftの元最高経営責任者(CEO)Dave Duffield氏は、時には隠密モードも交えて1年以上活動した後、自身の新会社にとって初の製品となるオンデマンドのERP(Enterprise Resource Planning)ソフトウェアスイートを米国時間11月6日にリリースした。
Workdayという名の新会社は、Salesforce.comが提供する同種の製品や、SAPやOracleといった企業アプリケーション大手が最近進めているオンデマンドへの移行と競い合うことになる。
Duffield氏はどうやら、Oracleへの戦いを再開する準備が整ったようだ。同氏がPeopleSoftを設立したのは1987年だが、1999年にはCEOの職を退いている。買収をめぐるOracleとの争いが長引く中、同氏は2004年にPeopleSoftのCEOに復帰した。
OracleによるPeopleSoftの敵対的な株式公開買い付けは、両社によるお互いの中傷と非難を伴うものだった。18カ月以上に及ぶ戦いの後、PeopleSoftの取締役会は2004年12月、Oracleが103億ドルで同社を買収することを承認した。その後すぐに、Duffield氏はCEOを辞任している。
Duffield氏が企業アプリケーション業界へ正式に復帰したことを受け、業界オブザーバーらは、同氏がHR(Human Resource)アプリケーションに関する深い知識をWorkdayにもたらすと述べている。
オンデマンドでアクセス可能なソフトウェアアプリケーションは、次第に人気を集めつつある。企業がソフトウェアを購入して自社のシステムにインストールするのではなく、こうしたオンデマンドサービスに月額利用料を払うことでコストを減らしたいと考えているためだ。
中規模の企業から大企業を対象とするWorkdayが6日にリリースした新製品は、「Workday Human Capital Management」だ。さらに、「Workday Financial Management」「Workday Resource Management」「Workday Revenue Management」という3種のスイートについても、2007年のリリースを予定している。
WorkdayのCEOで共同創立者のDuffield氏は、アナリストらとの電話会議の中で、「WorkdayはPeopleSoftの生まれ変わりか、とよく尋ねられる。答えはイエスでもあり、ノーでもある」と述べた。
Workdayは、各種の技術基準とSaaS(Software as a Service)モデルに依拠する次世代ERPシステムとして設計されているが、顧客サービスへの明確な注力など、PeopleSoftの特性も多数取り入れていく予定だと、Duffield氏は説明した。
同社は今後、1000〜5000人の従業員を抱えERPシステムを導入していない中間市場の企業に、製品を売り込んでいく考えだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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