Googleが米国の新聞紙に出稿する広告枠を販売するプログラムを開始する。同社では手始めに、Hearst、Gannett、the Washington Post Co.、New York Times Co.などの新聞社が参加する、3カ月間のトライアルを実施する。同社ではこの広告仲介サービスのテスト期間中に売り上げを得る予定はないという。だが、2007年の正式版サービスの提供にあわせて、仲介料を課金する予定だ。
ウェブメディアの世界で絶大な影響力を誇るGoogleがなぜ今になって、長年の苦戦から抜け出せずにいる印刷メディアに興味を示すのか。New York Timesは米国時間11月6日付けの記事のなかで、その答えは年間480億ドルという新聞広告市場の規模にあると、Googleの同サービスに関わる人物の発言を引用して述べている。
以下がブログコミュニティの反応である。
「良いアイデアかって?答えはもちろんイエスだ。新聞業界は10年前、いや、20年前からこうしたことを自ら考え始めるべきだった。というのも、これは単にインターネットを利用するだけのサービスではないからだ。地域の広告主は、特定の地域向けに作られた製品をセルフサービスで宣伝したいと長らく考えてきた。Googleのサービスは、こうした機会をどう広告主に与えるか、という問いに答えるものである。さらに、新聞紙が国際的なネットワークに組み込まれたことにより、新聞社は広告主に地域特化型の広告枠を販売できるようになる」(Buzz Machine)
「Googleは、新聞社に好意的にはたらくつもりはない。自社のブランド力と影響力を利用して、広告主に提供できるメニューを増やし、利益を上げられるマーケットへとビジネスを広げているだけだ。新聞、雑誌、ラジオ(Googleはラジオ放送向け広告を手がけるdMarcを買収している)、ウェブそのすべてにおいて、Googleはこの戦術を用いている」(Mark Evans)
「新聞をはじめとする印刷メディア業界の苦闘は続くだろう。しかし、(ユーザーがパラパラとめくりながら楽しんでいる)広告はしばらく紙面から消えなさそうだ」(Blogspotting)
「Googleが真剣に考えなければならないのは、スケールとコンテキストの問題だ。印刷メディアでの広告ビジネスは、情熱や感情のこもった『人間』の手によって成り立っている。これは今後も変わらないだろう。特定の読者に向けて提供されるこの手の広告は文脈に合ったものでなければならない。これを解決するのはアルゴリズムではない」(John Battelle's Searchblog)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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