Novellの最高技術責任者(CTO)Jeffrey Jaffe氏は両社がこの仮想化技術でも協力していくと述べる。たとえばNovellは「Windows Server Longhorn」用に最適化された仮想化機能をもつ「SUSE Linux Enterprise Server」を提供するという。一方で、Microsoftは、仮想環境でNovellのソフトウェアを稼働できるように最適化されたWindows Server Longhornを販売する。もっとも、両社とも互いのOSは販売しない。
RedMonkのアナリストであるStephen O'Grady氏は「Microsoftはオープンソースコミュニティーの良き市民になるために大きな一歩を踏み出した。そしてNovellは今回の提携により、大きな注目を集め、信頼性も上がるだろう。Red Hatは最大手のLinuxのサプライヤーとしての地位を守るため、一層の努力をしなければならなくなる」と述べる。
さらにMicrosoftはWindowsとLinuxを稼働したいと考える顧客向けに公式に、SUSE Linux Enterprise Serverを推奨していく予定だ。またSUSE Linux Enterprise Serverのメンテナンスやサポートを受けられるクーポンを配布する。MicrosoftとNovellは互いの顧客にサポートを提供し、必要に応じて相手の会社のサポート部門に人材を派遣する。
さらに両社は、双方の顧客に対して、特許侵害のかどで訴訟を起こさないと言明した。さらにMicrosoftは個人や非営利のLinux開発者に対しても特許侵害訴訟を提起しないと述べた。
Microsoftの法務顧問を務めるBrad Smith氏は「Linuxを稼働するためのコードを顧客に提供し、かつMicrosoftがもつ特許の使用を許諾できる企業は、業界内でNovellのみである」とイベントで述べた。
またSmith氏によれば、MicrosoftではopenSUSEのコードを作成することで対価を得る開発者も、特許の使用で訴えられることのないようにするという。
しかし、計画に詳しい情報筋によると、NovellがMicrosoftに対して起こした独占禁止法違反訴訟は、今回の提携による影響を受けないという。NovellはワープロソフトWordPerfectをめぐり、Microsoftが反競争的な行為をはたらいたと主張し、2004年にMicrosoftを提訴している。
MicrosoftもNovellも今回の提携に関する金銭的な条件を明らかにしていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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