現在、良くも悪くもテクノロジ業界の話題をさらっているのがLinden Labの仮想世界「Second Life」だ。
この数カ月間で、Second Lifeはメディアの寵児の座を確固たるものとした。「BusinessWeek」の表紙を飾ったかと思えば、「Wired」では8ページの特集が組まれ、世界中のオンラインメディアや新聞に無数の記事が掲載された。Second Lifeに「拠点」を設ける企業も増えており、その中にはIBM、Sun Microsystems、Warner Musicといったお馴染みの名前も見える。
Second Lifeへの注目が高まる一方で、仮想世界の住人たち(米国時間10月18日に100万アカウントを突破)はタイムラグや貧弱なユーザーインターフェースといった問題に直面してきた。DoS(サービス拒否)攻撃によって、メイングリッドが使用不能に陥ったこともある。
それにもかかわらず、Second Lifeのユーザー数は急速に伸びている。ほとんどのコンテンツ(景観、建造物、衣服、車両など)はユーザーが開発したものだ。Linden Labの試算によれば、その価値は専任のエンジニア5000人以上の作業に相当すると言う。
米国時間10月16日、Linden Labの最高経営責任者(CEO)、Philip Rosedale氏のアバターがCNET Networksの「Second Life本社」に登場し、数十人の聴衆が見守る中で、メタヴァースの最新情報を語った(編集部注:メタヴァースとはSF作家ニール・スティーヴンスンが小説『スノウ・クラッシュ』で描いた仮想空間のこと)。
これはわれわれが正しい方向に向かっていることを示していると思います。報道機関がSecond Lifeに参加したいと考えていることには大きな意味があります。ニュースの価値は、難しい事柄を平易に説明し、複雑なものを分かりやすく表現するところにあります。今の状況はSecond Lifeに報道機関の興味を引くだけの複雑さがあることを示しています。つまり、すべてはうまく行っているのです。
そうでもありません。Second Lifeのユーザーは多様化、主流化しているからです。典型的な「Second Life住人」を描くことは、典型的な「ニューヨーク市民」「サンフランシスコ市民」を描くのと同じくらい困難です。メディアやマーケティングの観点から言えば、Second Lifeは新しい言語のようなものです。この言語を完全にマスターしている人はまだいません。この言語にいち早く挑み、習得した企業や個人は大きな成功を手にするでしょう。
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