PlayStation2やニンテンドーDS、Xbox360でソフトを発売し、海外でも高い評価を得ているキューエンタテインメント。2006年秋にはオンラインゲームへも進出し、幅広いプラットフォームで独自の世界を作り上げる同社は、元セガ・エンタープライゼスの内海州人氏と水口哲也氏が立ち上げたゲームソフトメーカーだ。
代表取締役 CEOの内海氏はセガを退社した後、Sony Computer Entertainment of America(SCEA)の立ち上げに参画し、Sega of America執行役員、ディズニー・インタラクティブ(ブエナビスタ・ゲームス)アジア代表など、ゲームプラットフォームやコンテンツビジネスを渡り歩いてきた。一方、代表取締役 CCO(Chief Creative Officer)の水口氏はセガで「セガラリーチャンピオンシップ」「スペースチャンネル5」「Rez」といった話題作を続々と発表してきた有名クリエイターだ。2006年には全米プロデューサー組合(PGA:Producer Guild of America)が世界で注目すべきデジタル系プロデューサーやクリエーター50人を選ぶ「Dital50」にも選ばれた。
同社は今後のゲーム業界をどう見ているのか。また、次世代機に何を期待しているのか。プロデューサーやクリエーターとして名高い両氏に聞いた。
内海:そうですね。「ルミネス」や「メテオス」など、最初は小さなものから始まりました。
僕らが何をやるべきか考えていたときが、ちょうど時代の変わり目だったんです。その1つの象徴が(ニンテンドーDSやPSPという)ハンドヘルドです。それぞれ非常に特徴がある、かなりおもしろいハードウェアですね。また、PS2などでソフトを作ると続編ものしか売れない状況の中で、水口は新しいプラットフォームに新しい価値観があるものを生み出せると思っていたんです。
よく考えてみたら、僕らは結構ハードウェアの会社にいたんですよね。プラットフォームが今後どうなるかとか、「ここはおもしろいよね」「今後こういうことが起こるよね」というのを話すのは割と好きだった。そんなディスカッションを繰り返しながら、「新しいプラットフォームで小粒でもぴりりとしているものがいいんじゃないかな」という意見にまとまったんです。
水口:内海はやはりその辺のバランス感覚を持っているので、順番をちゃんとうまく示唆してくれました。
内海:それぞれハード面やビジネス面で特徴がある機械だと思います。それをさっきも言ったようなかたちで評価して、いろいろ考えてはいるんですが、Xbox360にしろ、PS3にしろ、非常に興味を持っているのは、やはりオンラインのエリアなんですね。
Xbox 360に関していうと、「LUMINES LIVE!」というタイトルを欧米で発売しました。Xbox Live ARCADEでのみのダウンロード販売になるんですが、ただ販売するだけでなく、ベースのゲームをダウンロードしたあとに、次から次へ新しい要素をダウンロードできるような仕組みを作っているんです。
ディスクで販売した場合だと、「出したら終わり」だったものが、常にアップデートできる放送局のようにライブで送り出すことができるようになりました。
オンラインでつながることで、コンソールでもそういうお客さんの要望に応えることができるようになった。それは、ニンテンドーDSにしろPSPにしろ、同様の展開になっていくと思うんです。
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