老舗メーカーのテクモが見る次世代ゲーム戦争の活路 - (page 3)

--LieVoにはソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のようなサービスもあるようですが。

 すこし使い古されてはいますが、いわゆる「Web 2.0」に対して我々も挑戦していこうと。言うだけではなく、実際にやってみようということですね。

 今、インターネット上では世界レベルでブログが普及しています。これは、いわばインターネット上の「自宅」なんではないかと考えています。こうしたものをすでに皆さんがもたれている。LieVo自身もブログを持つという考え方もありますが、まずはLieVoへ「別荘」を持ってもらおうと考えています。これを元に、ユーザーに毎日アクセスしていただこうと考えています。

--次世代機についてもお聞かせください。まず、世界市場では拮抗するとみられる、PLAYSTATION 3(PS3)とXbox 360は。

 今回の次世代機では、それぞれのゲーム機の目指すビジョンというものが明確に方向付けられていて興味深い。おそらくこれらの機種は別々の進化を遂げていくと思います。

 テクモにはDEAD OR ALIVEシリーズやNINJA GAIDENシリーズなどを手がけるTeam NINJAというクリエイター集団がいます。彼らの強みをもっとも生かせるのはPS3とXbox 360、いわゆる「次世代機」です。

 また、彼らの中から、新しいクリエイターを育て、層を厚くし、次世代機へ投入していこうと考えています。これら2つの次世代機は圧倒的な映像表現が可能で、ゲームクオリティも非常に高いものとなります。その一方で、コストという高いハードルがあります。これらの条件を最適化できるプロデューサーが必要です。

 他のメーカーでは、従来のプラットフォームで経験を積んでから、次世代機に取りかかるクリエイターが多いと思いますが、テクモではこの次世代機に完全にフォーカスしていく。もちろん最初から完全オリジナルというのは難しいので、従来タイトルの続編などから取りかかってもらい、その後に彼の作りたい、新しいタイトルへチャレンジしてもらうということになると思います。

--Wiiについてはどうお考えですか。

 Wiiは発想の転換が必要なハードです。遊び方を変えていくプラットフォームで、プランニングが重要となります。ゲームって、売り場の棚で買おうかどうか決めるのは、だいたい30秒くらいじゃないですか。ここで「よし、買おう!」と思わせるタイトルを提供していくのが、Wiiへの戦略となると思います。まずは「スイングゴルフ パンヤ」がその先鋒となります。ゴルフ自体の楽しみと、リモコンの直感的な操作がユーザーに訴える要素となるのではないかと思います。

--もう1つ、重要な市場としてポータブルゲーム機があります。

 もちろんポータブルゲーム機にもソフトを供給します。当社には2つの開発部門がありますが、そのほかにLieVoはマルチコンテンツ事業部、従来のカテゴリでいえば販売の部門が開発をしています。こうした試みをコンシューマーゲームにも広げていきます。2007年にはおそらく、こうした新しい体制がプロデュースする新作タイトルのご紹介ができるかと思っています。

 今まで、テクモがターゲットとするユーザーは15〜20歳あたりだった。今後、ユーザー層はもっと広げていこうと考えています。このとき、遊んでいただける時間帯や入り方は変えて行かなくてはならない。ゲームではないところから入ってきていただく工夫は重要でしょう。今はまず、携帯電話でこうした取り組みを行っています。詳しくはまだお話しできませんが、「ゲームという概念を変える」ということを提案していきたいと考えています。

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