セキュリティ業界--買収ラッシュで進む再編 - (page 2)

文:Dawn Kawamoto(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2006年10月17日 19時30分

 SOX法などの規制に伴う問題もセキュリティ関連の買収に拍車をかける要因となっている。顧客は、自社の技術では情報のセキュリティ保護や規制遵守に対応しきれないとき、少数のベンダーに責任を持って対応してもらえることを望んでいる。そして、システムおよびストレージの大手企業は買い手企業として十分な資金力を備えている。

 「彼らには潜在的なM&Aを現金で行使するだけの能力があるか、株式で買収できる規模を備えているか、あるいはそのどちらの条件も満たしている」とMacLeod氏は言う。

 買い手企業を探しているか、買収に応じる用意がある可能性が最も高いのは、中規模のセキュリティ企業だ、とKuper氏は言う。

 たとえば、ISSとRSA Securityは、買収が発表されるかなり前から、買収対象候補企業として名前が挙がっていた。

 アナリストたちは、他にも潜在的な買収ターゲット企業として、Trend Micro、Check Point Software Technologies、McAfee、Secure Computingといった名前を挙げている。これらの企業は包括的なセキュリティプロバイダとしては規模が小さ過ぎるが、ニッチプレーヤーになるには大き過ぎる、とアナリストと銀行投資家たちは指摘する。

売却を望む中規模プレーヤーたち

 こうした企業は中規模プレーヤーとみなされるが、そのために彼らは不利な立場に置かれている。

 「一方にはCiscoやMicrosoftなど廉価なセキュリティ関連製品を提供する大企業が存在し、他方にはニッチ市場専門の優良企業が存在するからだ」とKuper氏は説明する。このため、こうした中規模のセキュリティ企業は、買い手企業を探しているか、買収に応じる用意がある可能性が高い、と同氏は述べる。

 これらの中規模セキュリティ企業の株価は1年前の水準と比較して約10〜20%下がっている。Secure Computingのように60%も下げている会社もある。因みに、ハイテク株中心のNasdaqの平均株価は1年前よりも5%以上上昇している。

 「個人向けの製品ラインがなければ、McAfeeも買収のターゲットになっているだろう。買い手企業は個人向けのビジネスには興味はない。このため、McAfeeが個人向け部門を私企業化して、エンタープライズ部門を売却する可能性もある」と、匿名を希望したあるセキュリティアナリストは指摘した。

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