知らされなかったパスワード--ユーザーの死が封印するアカウントと遺族のアクセス - (page 2)

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2006年10月12日 01時07分

 遺産相続計画について相談を受ける弁護士は、顧客が自分の死後にコンピュータへのアクセスを誰に許可したいかを決めておいてもらうべきだ、とRotenberg氏は述べる。

 サンフランシスコの財産相続専門弁護士Michael Blacksburg氏はまさにそれを実行している。「オンラインに存在する情報にアクセスするためのパスワードすべてを遺産相続書に明記しておくよう、クライアントには勧めている」(Blacksburg氏)

 Blacksburg氏は、iTunesのライブラリに登録されている楽曲やShutterflyの写真など、電子メディアの処分方法についてもクライアントに確認しているという。

 「古い世代の人たちはコンピュータを使う習慣がついて間もないのでまだよいが、今後、コンピュータを使いこなす人間が増えてくると、この問題はますます深刻になってくるだろう」(Blacksburg氏)。

 こうした状況のなか、電子メールプロバイダーはジレンマに陥っている。機密性の高いデータが外部に漏れている可能性があるとほのめかしただけで徹底的に責められる彼らだが、これからは、顧客が亡くなったときに家族にデジタル鍵を引き渡すように求められることになる。

 2005年、Yahooはイラクで戦死した米国海兵隊員の電子メ―ルに対するアクセスを父親に与えるようにと裁判所命令を受けた。

 「われわれはYahooメールのアカウントを持っているすべてのユーザーに対して、電子メールを私的な通信として扱い、メッセージの内容については機密事項として扱う義務を負っている」とYahoo 広報のKaren Mahon氏はいう。

 裁判所命令に従うことは認めたものの、ユーザーが亡くなったとき、そのメールアカウントへのアクセス権を遺族に与える必要があるかどうかという点に関して、Mahon氏はそれ以上言及しなかった。

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