旧PeopleSoftが米国政府との契約を獲得する際に誤った価格情報を提供した件に関して、Oracleが9850万ドルの和解金を政府に支払うことに同意した。
米司法省が米国時間10月10日に発表したプレスリリースによると、旧PeopleSoftが開示した価格情報に誤りがあったため、複数の連邦機関が1997年3月から2005年9月にかけて同社に料金を払いすぎていたという。ソフトウェアベンダーであるPeopleSoftは、2005年1月にOracleによって買収された。
今回の和解は、一般調達局(General Services Administration:GSA)の「Multiple Award Schedule(MAS)」プログラムに関するものとしては最大規模であると、司法省は述べている。MASプログラムは、数百におよぶ連邦機関との一括契約の締結を承認する代わりに、商用製品の価格情報を政府に通達することをベンダーに義務づけている。司法省は、旧PeopleSoftが開示した情報は「最新でも、正確でも、完全でもなかった」と話した。
連邦副検事総長のPaul McNulty氏は声明の中で、「ベンダーが開示規則を遵守し、政府調達担当者が適正な価格交渉を行うのに必要な情報をGSAに提供してこそ、同プログラムは機能する」と述べ、「このたびの決定によって、ベンダーに責任感を持たせ、GSAの信頼を裏切ったり、プログラムの有効性を損なったりしないよう手綱を引き締めていくという司法省の決意が、目に見える形で現れた」と語っている。
今回の問題は、「Federal False Claims Act」という内部告発を奨励する取り組みによって表沙汰になった。メリーランド地区連邦地方裁判所に訴状を提出した旧PeopleSoftの従業員James A. Hicks氏は、同法の規定により、1770万ドルを受け取ることになる。Federal False Claims Actでは、内部告発者が政府に代わって訴えを起こし、和解や判決によって支払いが命じられた金額の一部を受け取ることができると定められている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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