ソフトバンクの次なる一手は何か

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 10月1日のソフトバンクモバイル発足を前に、ボーダフォンは先行2社に全く見劣りしない新携帯電話端末のラインナップを発表した。端末の薄さや国内外にこだわらない調達先、PC同様のサービスを無料で利用できるなどのアピール点をもって、その「本気度」を示すことには大いに成功した。しかし、モバイル番号ポータビリティ制度(MNP)の導入をはじめとした携帯電話市場の荒波以上に、クリアすることがありそうだ。

通信三強時代へ

 ソフトバンクによるボーダフォン買収の発表(3月17日)から6カ月強。10月1日から、ウェブサイトから街中のショップに至るすべての場所で、赤色のSIMカードを模したバックに逆クォーテーションマークを白抜きにしたボーダフォンロゴは全て消え、きりりと引き締まったシルバーブラック=ソフトバンクの新しいブランドへと完全移行した。これにより、日本における新しい通信市場=三強による競争環境の幕開けとなった。

 これに前後して、2番手KDDIによる東京電力の光ファイバー通信事業の取得などのニュースが報道された。先の小泉政権における竹中総務相時代に放送と通信の融合を巡る初めて公の議論がなされ、結果、2011年のアナログ放送停波までの5年間は実質停滞を決め込んだ素振りを表面上で見せる放送業界に対して、地盤変動を続ける通信業界は大きく差を見せつけている。

 そんな中、今回、その変動の震源地ともなった2001年のADSLによる「殴り込み」といってもいいほどに衝撃的な一般通信事業参入以来、そして、傘下の通信3社の代表にソフトバンク孫社長が就任することで、ついにソフトバンクは総合通信事業者としての地位を完成させたことになる。通信全体のIP技術への基盤遷移やFMC(モバイル・固定通信統合サービス)など、これまでにはない流れをいかにリードしていくかが、これから見ものだ。

 そして、10月24日からMNPが導入されるなど、現在、最も激戦の様子を示している携帯電話事業こそ、その存在感を最初にアピールするにふさわしい劇場になるだろう。

発表で強い意志を示すことに成功

 MNP開始に先立つ9月28日、ボーダフォンとして最後となる発表会が開催された。

 当初、すでに製造キャパシティの余力の問題から、これまで端末メーカーに対する交渉力に劣ると言われてきたボーダフォンが、端末の魅力でリードを伸ばした2番手のKDDIと対等に渡り合えるだけのラインナップを用意することは困難という読みをする業界通は多かった。しかし、今回、国内外のメーカーが製造する携帯電話端末15機種(正確には12機種+1カード。そして、あと2機種については後日発表予定)の取り揃えを発表した。

 さらにはこれまでのVodafone Live!に代わる情報サービスとして、Yahoo! JAPANが運営し、PC向けにYahoo! JAPANが提供するほとんどのサービスを(Yahoo! IDさえ取得したら)そのまま使える「Yahoo!ケータイ」の導入、同サービスに関連した統合コミュニケーションサービスでプレゼンス&メッセンジャー機能をもった「Yahoo! mocoa」(これらYahoo!関連サービスについては、ヤフーのサイトに詳しい)、ドコモやauに比べて導入が遅れていたプッシュ・トゥ・トーク・サービス「サークルトーク」とステイタス表示サービス「ホットステータス」、そして以前から発表してきた高速データ通信サービスHSDPAとそれをフル活用可能なWindows Mobile 5.0を採用したスマートフォン(これはドコモが法人向けに販売しているHTCと同じものだが、HSDPAに対応したこと、ウィルコムのW-ZERO3などと同様にビジネスコンシューマーに向けて一般販売する点でなどで注目できる)など、山盛りのサービス開始を宣言した。

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