Apple Computerの元幹部3人が設立した新興企業、Acquicor Technologyは米国時間9月26日、チップ製造メーカーのJazz Semiconductorを2億6000万ドルの現金で買収する計画であることを明らかにした。
Appleの元幹部であるGil Amelio氏、Ellen Hancock氏、Steve Wozniak氏の3人が設立したAcquicorは、カリフォルニア州ニューポートビーチに拠点を置くJazzを買収すると発表した。Acquicorは3月に1億6000万ドル以上の資金を調達している。このとき創業者らは目論見書のなかで、Acquicorという会社について、IT業界の会社を買収すべく設立された「白紙状態の小切手を用意する会社」だと説明していた。
Jazzは株式非公開企業で、かつてはConexant Systemsの製造部門だった。Conexantは2002年に、この製造部門を分社化し、プライベートエクイティ投資会社Carlyle Groupの投資による合弁会社としてJazzを設立した。Amelio氏はかつて、Jazzの前身である製造事業の責任者を務めていたが、当時、これらの事業はRockwell Internationalの一部だった。Rockwellは同社の半導体部門をConexantとして分離独立させ、後にConexantが同社の製造部門を分社化した。
Acquicorは、Jazzの買収費用に第三者から調達する資金と株の売却で得た資金をあてるという。第三者からの資金には、Wachovia Capital Financeから調達する6500万ドルも含まれている。同社によると、買収は2007年第1四半期に完了する予定だという。また、買収額は最終決定価格ではなく、今後予想外の支払いが発生することもあり得るとしている。
Acquicorは3月にIPOを実施した際、資金調達後18カ月以内に買収を完了できない場合は株主に資金を返還すると宣言した。AcquicorがIPOで資金調達を行ったのと同じ週に、Wozniak氏が以前携わっていたWheels of Zeus(WoZ)と呼ばれる企業が事業を閉鎖すると発表した。
Jazzは自ら株式を公開するための申請を行っていたが、Acquicorの一部となるため、その計画を断念することになる。Acquicorは買収後、Jazzの親会社となり、JazzはAcquicorの子会社として事業を継続する。Amelio氏は、買収後もAcquicorの最高経営責任者(CEO)の職務を継続し、Hancock氏とWozniak氏もそれぞれ最高執行責任者(COO)、最高技術責任者(CTO)の職務を継続する。またAcquicorによると、JazzのCEOであるShu Li氏もそのまま同職に留まるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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