血統を受け継ぐ者--「ソニー α100(DSLR-A100)」 - (page 3)

ソニー
DSLR-A100
内容:2006年1月。カメラ業界を驚くべきニュースが駆け巡った。コニカミノルタのカメラ事業撤退のニュースである。永年にわたり優れたカメラを世に送り出して来たメ−カーの決断は、現在のデジタルカメラの目まぐるしいまでの進化と移り変わりによる時代の流れに翻弄された結果と言える。だがあえてその激流に乗らんとする者もいる。世界的に大きな影響力を持つブランド「SONY」である。その「SONY」が「α」という資産を引き継ぎ、遂に一眼レフデジカメを戦力に投入してきた。それが「SONY DSLR-A100」“SONY α100”

「先進の機能と伝統の融合」

 「α100」に新たに搭載された機能として注目したいものは「Dレンジオプティマイザー」である。この機能は撮影された画像を分析、自動的に調整することで輝度差の大きなハイライトの白飛びや影部分の黒つぶれなどを補正するというものだ。この機能には「スタンダードモード」と「アドバンスモード」の2モードがあり任意に切り替えることができる。「スタンダードモード」は画像全体の露出とコントラストを調整することで均一的に明るくローキーな仕上がりとなる。「アドバンスモード」は全体のコントラストや明るさはそのままに、特に黒つぶれ部分と白とび部分を調整することでより自然な仕上がりに近い補正を行ってくれる。 (注)以下の条件下ではDレンジオプティマイザー」は機能しない。「マニュアル露出モード」「中央重点平均測光モード」「スポット測光モード」「RAWまたはRAW+JPEG記録モード」

 

 次の三点の画像で「DレンジオプティマイザーOFF」「スタンダードモード」「アドバンスモード」と撮り比べてみた。いすれもDT18-70mm F3.5-5.6 ISO感度100,プログラムモード,F10,1/100s,WBオート

  • 「DレンジオプティマイザーOFF」

  • 「スタンダードモード」画像全体の露出とコントラストが下がっている。明るくなってはいるがローキーなイメージ

  • 「アドバンスモード」画像全体の明るさやコントラストはそのままで森のシャドー部を主に持ち上げることで、画像全体のイメージを崩さずに最適な状態に調整されている

 

 これら先進の機能を搭載した「α100」であるが、旧「α」譲りの基本性能もしっかりと継承している。撮影時にはナビゲーションディスプレイとなる明るい屋外でも見やすい2.5型液晶モニター。マニュアルフォーカス時にもピントの山を掴みやすいスフェリカルアキュートマット採用の明るいファインダー。旧「α」の14分割から40分割へと大幅にUPしたハニカムパターン測光センサーによるパターン測光。撮影シーンに合わせて画像の仕上がりを選択できる画像仕上げ機能。白や黒の微妙な諧調を表現できるゾーン切り替え機能。一回の撮影でホワイトバランスを段階的に変えて撮影できるホワイトバランスブラケット。これらはいずれも旧「α」において高い基本性能をユーザーにより認められた機能ばかりだ。つまり新生「α」は紛れもなく正しい「α」の血脈を継承した機体であり、そこに「SONY」という先進の魂を融合することによって、セカンドステージ「αデジタル」となることが約束されているカメラなのだ。

 
  • DT18-70mm F3.5-5.6 ISO感度100,絞り優先モード,F8.0,1/200s,WBオート  蝶や花、花弁の質感は優れている。ただしレンズの描写は緩い

  • DT18-70mm F3.5-5.6 ISO感度100,プログラムモード,F13,1/250s,WBオート 強い陽射しがあたる建物だが白壁も白飛びしていない。銀色のドームも金属の質感がしっかり出ている

  • DT18-70mm F3.5-5.6 ISO感度125,プログラムモード,F5.0,1/60s,WBオート 観測ドーム内の反射望遠鏡。ドーム外の明るさと内側の明暗差が大きいのだが、適切な露出となっている。望遠鏡のメカニカルな質感もしっかり描写されている

  • DT18-70mm F3.5-5.6 ISO感度800,マニュアル露光,F3.5,30s,ノイズリダクションON,WBオート カメラを三脚に固定し星空を撮影。30秒間の長時間露光なので星が僅かながら輝線を書いている。高感度撮影なので若干のノイズが出ているが実用範囲だろう。デジカメでも天体撮影ができることは意外と知られていない

  • 75-300mm F4.5-5.6 ISO感度800,夕景モード,F4.5,1/100s,WBオート 夕焼けに染まる雲の微妙な色の変化もしっかりと捉えている

  • 75-300mm F4.5-5.6 250mm(375mm相当)にて撮影 ISO感度100,プログラムモード,F5.6,1/400s,WBオート,コンティニュアスAF 奥から手前に向かってくる乗り物を動体予測で撮影。ほとんど問題ないが若干ピントの甘さを感じる

  • 75-300mm F4.5-5.6 75mm(112mm相当)にて撮影 ISO感度100,プログラムモード,F13,1/200s,WBオート

  • 75-300mm F4.5-5.6 300mm(450mm相当)にて撮影 ISO感度100,プログラムモード,F8.0,1/500s,WBオート 75-300mm F4.5-5.6レンズをワイド端とテレ端でそれぞれ撮影。いずれもシャープネス、コントラストともに良好だ。描写力も優れている

  • DT18-70mm F3.5-5.6 ISO感度100,プログラムモード-0.7EV補正,F9.0,1/320s,WBオート 画像仕上げ機能によりモノクロ仕上げ。適正露出よりもアンダーに撮影したほうがモノクロの質感を出しやすい

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