カナダのリサーチ・イン・モーション(RIM、マイク・ラザリディス社長兼共同CEO)は、日本で発売するPDA(携帯情報端末)「Black Berry(ブラックベリー)8707h」と対応サービスについて発表会を都内で開いた。
「Black Berry」は欧米を中心に全世界で600万人以上が利用している企業向けの端末。対応アプリケーションを搭載した専用サーバーを使って、外出先から社内メールの送受信、添付ファイルやホームページの閲覧、イントラネットへのアクセスを行いながら高いセキュリティを保てるのが特徴。音声による通話もできる。
RIMはNTTドコモと組み、日本での端末販売やサービス展開を行う。また、ドコモの第三世代携帯電話「FOMA」のネットワークを使ってメールのやり取りや音声通話を行う。サーバーと端末間の通信には高レベルの暗号方式「AES-256」でデータを保護。端末内部のデータも暗号化できるほか、紛失や盗難時には端末内のデータを遠隔操作で消去することもできる。
音声通話は、欧州などで普及している2.5Gの「GSM」と「GPRS」の2方式に対応しており、ドコモの国際ローミングサービスを契約することで、国内外で音声通話とデータ通信ができる。
本体にはパソコンと同じ配列のキーボードを搭載。ディスプレイは横320ドット×縦240ドットのQVGA液晶で、64MBのフラッシュメモリを内蔵する。サイズは高さ110×幅69.5×厚さ19.5mm、重さは約140g。通信方式はW-CDMAの2100MHz、GSM/GPRSの850、 900、1800、1900MHzに対応する。
対応サービス「BlackBerry ネットワークサービス」では業内のグループウェアと「Black Berry 870h」を連動させることができる。対応グループウェアはマイクロソフトの「Exchange」、IBMの「Lotus Domino」、ノベルの「Novell GroupWise」。
端末、サービスともに9月26日から販売を開始する。価格は端末が税別で5万9900円。端末1台あたりのネットワーク利用料が税別で月額5700円。別途FOMAの音声・データ通信回線の通信料がかかる。対応サービスは導入する企業により異なるが、アプリケーションを搭載した専用サーバー2台程度の最小構成で税別価格が200万円から。
会見で、RIMのマイク・ラザリディス社長兼共同CEOは日本でのパートナーにドコモを選んだ理由について「日本での業界のリーダーで3Gの標準化に貢献しいるデータサービスのパイオニアだから」と述べた。国内展開については「日本にもBlack Berryの潜在需要はある」と自信を見せた。しかし今回発売する端末では、日本語対応は表示のみで入力はできない。この点については「ドコモと協力して早い時期に日本入力に対応する」とした。
会見にはNTTドコモの星澤秀郎・取締役常務執行役員法人営業本部長も出席。端末、サービスの販売状況について「発売前の段階で、外資系企業を中心に数十社から1400回線の確定注文がすでにある」と述べ、これ以外にも大口の引き合いもあることを明らかにした。
ドコモは、法人向けのPDAタイプの携帯電話では、台湾のHTC社製の「hTc Z」、モトローラ製の「M1000」をすでに発売。2端末は日本語入力に完全対応しており、今後は「Black Berry」との競合も予想されるが、この点についてドコモでは「3端末がぶつかることはない」(小林春香・法人営業部ソリューション統括第一担当)と見ている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」