日商エレ、そのままで立体映像が見られる裸眼立体視モニター、210万円から

 日商エレクトロニクス(日商エレ、辻孝夫社長)は、オランダのロイヤルフィリップスエレクトロニクス(フィリップス社)と販売代理店契約を結び、高輝度・高画質な3D映像を表示できる42型の裸眼立体視モニター「3D Intelligent Display Solution」の販売を9月21日に開始した。価格は210万円から。

 裸眼立体視モニターは、メガネなどの特殊な装備なしで、立体的な映像を表示することができるのが特徴。発表会の席上、エンタープライズ事業本部長 MDA・サーバーシステム営業統括部長の中井憲雄常務執行役員は、裸眼立体視モニターをさらに広めるための条件として、(1)3D表示の品質、(2)コンテンツ製作の簡単さ、(3)2D表示可能、(4)ネットワーク配信可能――の4点を挙げた。

 今回販売するフィリップス社の裸眼立体視モニターはこれらの条件がそろっているとし、「これまで実績のある自動車会社、家電メーカー大学官公庁だけでなく、ショッピングセンターやアミューズメント施設、ショールーム、学術・企業・研究所の受付など3D広告という新しい分野を開拓していきたい。初年度で80-100システムの販売を目指す」(中井常務)と述べた。「3D Intelligent Display Solution」は、欧州やアジアでは4月から販売しており、4-7月だけでも全世界で700システムの販売実績があるという。

 「3D Intelligent Display Solution」は、解像度はフルHD(1980×1080画素)で輝度は460cd/m2。コントラスト比が1000:1で視点数は9視点、視野角は 125度と160度の2タイプがある。「レンチキュラー立体方式」と呼ぶ独自の方式を採用したことで、明るい環境下で立体映像を体感できるようになったという。さらに、3D映像専用だった「レンチキュラー方式」でも2D映像の動画表示を実現した。3D映像の解像度は960×540画素で、2D映像はフルハイビジョン(フルHD)表示が可能。推奨鑑賞距離は3-5mだが、1-10mの距離でも鑑賞できる。

 従来の裸眼立体視モニターのデータ作成原理は、9視点モニターであれば9視点分の映像を合成していた。そのため、レンダリング時間やデータ容量が多く、作り手や運用側の負担が大きかった。さらにネットワーク配信にも問題があった。この点を、画像生成用プロセッサ「IC3D」を搭載したことで解決。自動的に視点分の画像の生成を行う。「IC3D」は、2D映像と奥行きを白黒で表現したデプスマッブ映像から、9視差の映像を生成し、1つの立体映像に合成することが可能。3Dのデータの容量は、ハイビジョンの2D映像と比較すると2分の1、同じ解像度で表示する2D映像の2倍程度になるという。

 さらに、CGコンテンツ作成者やゲーム開発者が簡単に3D映像を表示するための環境も提供。ユーザーは2D映像と、デプスマッブ映像を入力するだけで3D映像を作成できる。CG作成ツール「3dsMAX」のプラグインに標準対応し、オプションでOpenGLのAPIも用意した。今後は、2台のカメラで撮影した実写をリアルタイムに3D映像とするソフトや、DVDコンテンツなどの2D映像を3Dに変換するソフトを開発し、順次提供していく予定。また、作成した立体コンテンツをWeb上でリスト表示させるためのソフト「Media Sequencer」を提供。「Media Sequencer」とコンテンツ配信ソフトを組み合わせることで、ショッピングモールや駅などでの広告展示用として、3D映像のネットワーク配信システムを構築できる。

 今後は、3か月以内に20インチを販売し、ラインアップを拡充する。さらに、発売時期は未定だが、50インチ以上のサイズも投入を予定している。

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