富士通研究所は9月21日、車載機器向けの新しい映像圧縮技術「SmartCODEC」を発表した。車載ネットワーク規格IDB-1394向けのコントローラLSIに内蔵可能な回路規模で、1秒あたり最大60フレームの800×480ピクセルRGB画像を処理できる。
SmartCODECは、車載映像伝送専用の圧縮技術。対象画像はYUV(720×480ピクセル)やRGB(800×480ピクセル)などで、自然画と文字/線画の両方に対応している。回路を小さくするため、圧縮率は3分の1に固定し、差分パルス符号変調(DPCM)符号化方式を採用した。その結果、富士通の「MB88387」といったIDB-1394コントローラLSIに内蔵可能となった。
2ピクセルごとにまとめて符号化する方式により、回路の基本クロックを上げることなく処理を高速化し、2〜3ミリ秒という圧縮/復元時間を達成した。これは、監視カメラの映像を運転時に使う条件である、伝送遅延30ミリ秒以下を満たすという。
また、文字や線画などのエッジを鮮明に再現するために、画素単位で階調数を調整可能とした。これにより、カーナビゲーション画像中の文字や線がつぶれたりかすれたりしない。
SmartCODECは、富士通が2006年度末の製品化を予定している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス