ホンダ、ドライバーの視界を助けるチップに投資

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2006年09月21日 17時27分

 本田技研工業は3年間にわたり、米国の新興企業Canestaにひそかに500万ドルを投じてきた。同社はコンピュータによる3D空間の認識力を助けるチップを専門にしている。同社の製品のうち、最も有名なのはバーチャルキーボードである。レーザー光線で投射されたバーチャルキーボードをタイプすると、その指の動きはキーストロークとして読み取られる。

 本田技研工業は、Canestaのチップにより、駐車している自動車や歩行者との距離がどの程度かをドライバーに知らせるほか、同様に有益な情報を与えることができると考えている。自動車メーカー各社はまた、超音波や立体技術を使ってドライバーに対しその周辺環境についてさらなる情報を提供することを試験しているという。

 本田技研工業のベンチャー投資部門であるHonda Strategic Venturingのトップを務めるToshinori Arita氏は、「これにより比較的低コストのチップをベースとした3D『カメラ』が提供できる。カメラを1台搭載すれば、さまざまな応用方法が生まれるだろう」と声明の中で述べた。

 おそらくチップは、車体か運転席に組み込まれるであろう。Canestaでプレジデントを務めるJim Spare氏は、本田技研工業はまだ、同技術がテストと設計の段階にあるが、搭載予定の車種を選定したと述べる。

 「最初は認識速度をあまり必要としない応用方法に注力する。エアバッグ展開のための着座センサーといった機能である」(Spare氏)

 Canestaの製品は、光源、パターンプロジェクタ、そしてセンサーにより構成される。光源とパターンプロジェクタは、連続的に光線を信号として照射する。信号は物体に反射することでセンサーに戻ってくる。その反射した信号のタイミングからセンサーは3D画像を作りだし、それがプロセッサに送り込まれる。

 チップが巡回する領域に何かが入り込むと、信号の反射パターンが変わり、それにより3D画像が変化する。ソフトウェアは大量のデータを人間が理解できる情報または画像に変換する。

 自動車メーカー各社は安全対策に、より多くの時間を費やし、研究に取り組むようになってきている。現在検討されているアイデアの中には、道路上の障害物をドライバーに警告したり、ドライバーの死角に疾走する車がいるときに車線変更するのを防止したりする機器やシステムを自動車に設置しようとするものがある。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]