Intuos3が具体的にどういう場面で便利なのか、Adobe Photoshop CS2を利用した場合の補正を紹介してみたい。たとえば、図1のようなポートレートのレタッチの場合。気になるのは、まずは顔のシミ。図2のように「バッチツール」を使って気になる部分を範囲指定し、図3のように近くにドラッグする。あごの部分など肌荒れしやすい部分にも便利だ。やりはじめると気になってしまうので、シミが気になる部分すべてに行いたくなる。マウスだと一苦労なのだが、ペンとエクスプレスパッドを使うとスピーディに行える。
次に、「ぼかしツール」を使って鼻の頭の毛穴などを目立たなくする。デジタルカメラだと、こういう部分まで解像してしまうので、ぼかしてやるといいのだ。これも、ペンの太さを調整して図4のように、筆圧を利かせながらなぞったり、塗ったりする感覚でレタッチできるので自然に仕上がる。口のまわりなども多少ぼかしてやるといい。
再び「バッチツール」に切り替え、今度は目の下にあるシワを消そう。この目のシワを消すだけで、女性のポートレートなら3歳は若く見えるようになる。図5のように範囲選択したあと、図6のようにドラッグすればOK。こういった細かい部分の範囲選択もペンならラクだ。
気になる目もレタッチしておこう。白目のくすみが目だたなくなるように図7のように「ぼかしツール」で白目部分をなぞってやる。あまり真っ白にしすぎると、人形の目のようになってしまうので気をつけたい。こうしてぼかしてやることで、くすみも目立たなくなるし、“潤んだ瞳”も演出できる。
さらにおもしろいツールとしては、「ゆがみツール」もある。このツールで図9のように、目の部分を少し持ち上げてやると目が大きくなるし、全身のポートレートならウエストを少しへこましたりといったこともできてしまう。ただし、人物の場合は、何をどうさわるとどう見えるかがある程度決まっているので、センスは必要だ。やりすぎると“こんな人間いないよ”という感じになってしまうので注意してほしい。このように細かい部分をなぞったり範囲選択をしたりといった作業は、マウスよりペンの方が断然適しているのだ。
ここで紹介する例は、編集側で魚住氏のタブレット使いを参考に、風景のレタッチにも応用した例だ。この、ほんの少し紅葉が始まったころの山あいの写真をタブレットでレタッチしてみたい。記憶ではもう少し色合いが豊かだったように感じたので、これをタブレットを使って補正してみたい。
全体の色を変えてしまうと違和感があるので、色味のあるところをタブレットでやわらかく範囲選択して、部分的に色味を調整する。タブレットは、強弱を付けながらあいまいな範囲を指定するのにも最適だ。
次に白い花の咲いている部分を目立たせるために範囲選択して明るく補正した。トーンカーブの微妙な調整にもペンは便利。真下にある電灯はじゃまなのでペンでなぞって消した。
全体的に、ペンを使うと範囲選択には特に便利で、絵を描くように自然に、快適にレタッチできる。「こうしたい」というイメージを実現するまでの時間が短くてすむ印象だ。(撮影・レタッチ:アクティフ)
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