ロンドン発--Cisco Systemsのセキュリティ技術グループの最高技術責任者(CTO)を務めるBob Gleichauf氏は、「Windows Vista」を複雑なITインフラに統合させると問題が生じる可能性があるとの懸念を示した。
「Vistaには怖い部分がある」とGleichauf氏は現地時間9月18日、当地で開催されたGartner Security Summitにおいて述べた。「これほど複雑なレベルのシステムは、新たなソリューションとともに、新たな脅威をもたらす。未知の分野を構築することで、いつもセキュリティを守るために苦労する。」(Gleichauf氏)
Geichauf氏は、CNET News.comの姉妹サイトであるZDNet UKの取材に応じ、Microsoftが2007年1月に一般発売を開始する最新版OSに対するCiscoの見解を述べた。CiscoはVistaがセキュリティ上の問題にソリューションを提供するかもしれないが、同時にセキュリティ上の問題を引き起こす可能性もあると見ている。
「Vistaは多くの問題を解決するであろう。しかし全てのや作用に対し副作用があり、不測の反応や変異が生じる。ネットワークは意図しないところで不安定になるかもしれない」とGleichauf氏は言う。
このようなシスコ幹部の発言は、Microsoftと欧州委員会がVistaのセキュリティ機能をめぐり対立を深めるなかで出された。Microsoftは規制機関に対し、同OSに含むことが認められる機能について明確なガイドラインを設定するように求めているが、欧州委員会は、Microsoftが競争規則を遵守すべきであると述べるだけだ。
システムの複雑さは、Vista施行における如何なる行動計画のなかでも考慮される必要があると、Geichauf氏は付け加えた。
「Vistaを受け入れると決定しても、最初から100%のシステムにおいて採用するとはならないであろう。しばらくの間は異種混交状態が続くであろう」(Gleichauf氏)
Gartnerのアナリストらはまた、多くの企業が、Vistaのセキュリティ機能を既存システムに統合することについては神経質になっていることを明らかにした。
「ほとんどの組織がVistaに対しては慎重である」とGartnerのEric Ouellet氏(研究、セキュリティ、およびプライバシー担当バイスプレジデント)は言う。「(企業各社は)すでにVistaに搭載されたセキュリティツールを持っている。他のシステムに移行することにはリスクを伴う。必ず何らかの問題が起きるものだ」とOuellet氏はZDNet UKに伝えた。
「導入企業が管理すべきリスクは、Microsoftが最初からこのような問題にきちんと決着をつけることができるか否かだ。答えはイエスかもしれない。しかし果たして企業にこうしたリスクを負う用意があるだろうか」と同氏は問いかけた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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