マイクロソフトは、9月1日にWindows Vista Relesase Candidate 1(RC1)を公開したことに伴い、9月12日にプレス向けの説明会を開催し、開発状況やRC1で実装された新機能などを紹介した。
マイクロソフト Windows本部 本部長のJay Jamison氏は、まずVista発売までのスケジュールについて説明した。Vistaは2005年にBeta1を発表した後、2006年5月にはBeta2を公開している。今回発表したRC1はその次のバージョンとなり、製品候補版として安定性やパフォーマンスの改善を実施したものだ。今後は2006年第4四半期中に開発を完了し、2006年11月からは企業向けに、2007年1月からは一般ユーザー向けにそれぞれ提供するという「予定どおりのスケジュールで進んでいる」とした。
RC1は、開発者やIT部門の管理者、PCの習熟度が高い個人ユーザーを対象とした「カスタマープレビュープログラム(CPP)」登録者に対して、9月6日から提供を開始した。これまでに全世界で150万部、日本で8万5000部を提供している。近日中に特設サイトにてCPPの追加登録を受け付け、全世界でさらに150万部を提供する。そのほか、10月以降には一部のPC専門誌にて配布する予定だ。
Beta2からRC1の改善点については、マイクロソフト Windows本部 ビジネスWindows製品部 シニアプロダクトマネージャの飯島圭一氏が説明を担当した。
パフォーマンスやセキュリティ面では、デスクトップ検索のインデックス生成速度を向上させたほか、Internet Exlorer 7にあった特定の検索エンジンを使用した際の文字化けをはじめとした既知の問題の修正、保護者によるアクセス制限機能の強化、ユーザーアカウント制御機能のポップアップ表示の改善などを実施している。
また、マルチメディアやネットワーク面では、Windows Media Center、Windowsフォトギャラリー、Windowsムービーメーカー、Windows DVDメーカーのユーザーインターフェースを改善し、標準サポートするドライバも数千種類追加した。
このほか、RC1で実装された新機能「ガイドヘルプ」「パフォーマンスモニタ」「信頼性モニタ」「ボリュームシャドーコピー」についてはデモを交えて解説した。
ガイドヘルプはインタラクティブなガイドを使ったヘルプ機能だ。これまでのヘルプと異なり、問題を解決するために必要な操作を、手順を追って画面上で説明してくれる「手動モード」と、自動的に問題を解決できるように設定を変更する「自動モード」を用意する。ガイドヘルプは、サポートで問い合わせ頻度の高い上位30件について提供する。現在は英語版しか用意されないが、製品版では日本語の説明がされる予定だ。
また、パフォーマンスモニタはCPUやハードディスク、メモリといったリソースをリアルタイムで監視するサービスで、信頼性モニタはソフトウェアのインストールやアプリケーションエラーといったシステムの信頼性に関係するイベントを監視するサービスだ。さらに、ボリュームシャドーコピーはファイルやフォルダを定期的にバックアップすることで、誤って消したり上書きしたファイルやフォルダを復元できる機能となっている。
説明会の最後にJamison氏は、Vistaの発売時期について触れ、「予定どおりに進めることは戦略上重要。将来のプラットフォームの基盤になり、ソフトウェアをサービスとして提供するWindows Liveの基盤ともなる」と語り、2007年1月の製品版発売を死守するかまえだ。
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