Microsoftにとって、「Microsoft Works」は長年、ソフトウェアのシンデレラ的存在だった。驚異的な利益率と普及率を誇る「Office」パッケージと継姉関係にあるからだ。
家庭向けアプリケーション統合ソフトMicrosoft Worksは、ワープロ、表計算、データベースなど各種ソフトウェアを包含し、多くのPCにプリインストールされ、現在も小売店で販売されているが、多くの人々は同ソフトウェアの存在にすら気付いていない。
しかしMicrosoftは、次第にWorksを見落としていたダイヤの原石と捉え始めている。将来は、多くのパッケージソフトウェアがオンライン上で提供され、多くの場合、広告を見れば無料で利用可能になる。Microsoftは、Worksがそのようなサービスの一翼を担うことを期待している。
CNET News.comは米国時間9月14日、Microsoftの幹部であるAlan Yates氏にインタビューを行った。Yates氏によると、Microsoftは、Worksの次のバージョンで、従来のソフトウェアの販売方法に代わる、オンライン上での提供と広告付きの無料版の提供という新たな方法を模索するという。
MicrosoftのBusiness Divisionでビジネス戦略担当ゼネラルマネージャーを務めるYates氏は、「われわれがやろうとしているのは、Worksの刷新だ」と語った。Microsoft Business Divisionには、Information Worker部門も含まれている。
Microsoftはおよそ2年前、Worksについて新たな取り組みを行う決断を下した。同製品の管理は、ホームプロダクト部門から同社のInformation Worker部門へと移された。Information Worker部門はOfficeを担当する部門で、同部門担当バイスプレジデントのChris Caposella氏に直属する。
Works担当チームはまず、Worksの将来のバージョンをオンライン上で提供すべきか、あるいはPCにインストールする従来の方法を継続すべきかを検討し、次に、Worksに広告を付けて無料で提供すべきか、あるいは新しいコンピュータにWorksをプリインストールさせる代わりにPCメーカーからわずかな報酬を受け取る従来の方法を継続する方が賢明か、の2点の検討を命じられた。
Microsoftは、Office 2007の発売後に発売を予定している次期Worksの販売方法について、最終的な決断はまだ下していない。Office 2007は、2007年はじめに広い範囲で発売される予定だ。
Microsoftは、ソフトウェア、特に消費者向けソフトウェアの従来の販売方法が困難になりつつある現実に全社を挙げて取り組んでいる。2005年にマスコミで報じられた通り、Microsoftの社内では、同社のデスクトップソフトウェアの広告付きの無料版を提供すべきか悩み続けている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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