「カレンダー」をベースにコラボレーションツールの提供を目指すログリー

岩本有平(編集部)2006年09月13日 10時29分

 オンラインカレンダーサービスは「次のキラーアプリ」とも言われており、2005年末以降、国内外を問わず複数のサービスが公開されている。

 しかし、オンラインカレンダーサービス「loglyカレンダー」を開発者したログリー代表取締役の吉永浩和氏は「オンラインカレンダーサービスの波が来るからと言ってloglyカレンダーを作ったわけではない」と、loglyカレンダーを核に提供を予定しているサービス群が流行に乗って開発されただけのサービスではないと説明する。

 loglyはオンラインカレンダーを中心にした情報共有ツールだ。カレンダー上で日記やスケジュール、目標の達成度、睡眠や食事といった生活の記録である「ライフログ」の登録や閲覧が可能なほか、写真や画像のアップロードにも対応する。登録する情報は「プライベート」「パブリック」といった閲覧の権限設定が可能なほか、複数ユーザーでグループを作成すれば、グループ内のみでの情報共有もできる。ライフログは、月単位の生活リズムをグラフ表示する機能も備えている。9月8日にはグループでのコラボレーション機能強化を目的として「ノート」ツールと「チャット」ツールの提供を開始した。

logly代表取締役の吉永浩和氏 logly代表取締役の吉永浩和氏

 吉永氏はオンラインカレンダーサービスを提供することになった経緯について「もともとオンラインカレンダーを作ろうと思ったわけではなく、時系列でのデータ整理など、必要な条件を考えた結果出来上がったユーザーインターフェースがカレンダーだった」と説明する。

 吉永氏は現在早稲田大学大学院 情報生産システム研究科の博士課程に在席し、PtoPを中心とした研究に携わっている。その研究の傍ら、コラボレーションツールの必要性を感じて開発したのがloglyカレンダーだ。サービスの構想自体は2005年末には出来上がっていたが「どうせサービスをやるのであれば、個人サービスとして提供するのではなく、企業としてきっちりとした体制をとっていきたいという思いがあった」という。そして2006年5月末に起業し、サービスを提供開始した。

日本証券テクノロジー新システム開発推進プロジェクトの我妻佳子氏 日本証券テクノロジー新システム開発推進プロジェクトの我妻佳子氏

 現在、受託開発を主な収益としている。しかし今後はloglyカレンダーで広告を配信し、有料オプションサービスを提供し収益化を目指す。また、ASPやOEMでの販売も検討している。今後は開発体制を整え、2007年春からはエンタープライズ向けにプロジェクト開発の支援ツールも開発する予定だ。

 また、日本証券テクノロジーと技術提携し、loglyカレンダーに連携した情報配信サービスの提供も検討している。「カレンダーをベースとして、日々の情報を閲覧できる斬新なサービスが提供できるのではないか」と日本証券テクノロジー新システム開発推進プロジェクトの我妻佳子氏は語る。

 ログリーでは今後、グループ間での情報共有に有効なツールを次々公開していくという。ツールのAPIは順次公開していく予定で、開発者が独自にアプリケーションを作れるようにしていく。また、将来的にはオフラインで利用できるアプリケーションの提供も検討している。

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