中国の都市部での若者の必須のアイテムであるMP3プレーヤー。日本や欧米に遅れること数年、中国でもここ最近急にiPodは世界で人気のMP3プレーヤーとして、注目を集めている。中国ではiPodより安い同種の製品はゴマンとあり、一連のiPod製品は中国の若者にとって憧れの高級機という位置づけとなっている。実際調査系サイト「中関村オンライン調研中心」の毎週、毎月ごとの定期レポートを見ても、読者に人気のMP3プレーヤー、ないしポータブルビデオプレーヤーの調査結果で上位に入っているのが確認できる(必ずしも読者が所持しているわけではないことに注意)。中国では北京や上海などの大都市ではもちろん、地方の省都でもiPodの販売を確認できる。
一方で同じAppleの製品でもMacは大都市の電脳街の数件の店舗でほそぼそと販売されている程度だ。中国ではMac専門誌は創刊されておらず、ユーザー主導のウェブページにしても「苹果网(Apple Net)」や「苹果在線(Apple Online)」など、あるにはあるが非常に少なく、また町中にある海賊版ソフト販売店においても売られているのはWindows用ソフトばかり。実際中国人の利用者は、大都市でもごくごく少数で、省都では0に近いと捉えてもいいだろう。「中国人の利用者」とわざわざ書いたのは、筆者が確認した限りでは、現地在住の欧米系外国人が現地のApple製品販売店でMacを買うことをたびたび目撃しているためである。結果は数字でもあらわれており、中関村オンライン調研中心のPCメーカーの人気ランキングではAppleの名は出てきていない。
ところが最近になってきてiPodの人気を受け、Macが地方都市の電脳街や家電量販店で販売されているのを見かけるようになった。家電量販店でもMacのサンプル機が置かれるようになり、そこに住む普通の中国人が触れる機会ができた。ところが見たこともないユーザーインターフェースに客はおろか、現場の店員もひいており、Mac販売コーナーだけ説明係がおらず、なんとなく起動しているMacの実機を置いているという状況となっている。店によってはMacを販売してみたものの、その数カ月後にMacコーナーを潰してWindowsコーナーを増やす店もあった。
iPod人気の今、まさにMacの第一歩。Mac認知への道のりは容易ではなさそうだ。
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