アフィリエイトの雄が語る、強さの真の理由 - (page 2)

インタビュー:永井美智子(編集部)
文:坂本和弘
2006年08月11日 12時06分

 GMOアフィリエイトはもともと、GMOグループがアフィリエイトをする際の窓口として設立した会社でした。しかし蓋を開けてみると、GMOグループの各企業は、GMOアフィリエイトを通さず、当社と直接取引をしたいということになった。そこで、熊谷さん(GMOインターネット代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏)と話をして、「必要がないのであればやめよう」ということになったんです。しかし、GMOグループとは引き続き良いパートナー関係を築いていますよ。

--今回上場で得た約16億円の資金は、どこに使っていきますか。

 人材の強化と新サービスです。まず、人材については主に営業を強化します。当社は高い品質と利益水準を守るために、営業はほとんどすべて直販で、代理店は使っていません。これは顧客のニーズを早く、的確につかむためです。また、顧客と直接話すことで、より多くの予算をアフィリエイトに向けてもらうことも可能になります。現在は60名体制ですが、これを増やしていきます。

 新サービスについては、アフィリエイターがすぐに商品紹介ができるようなものを提供していきます。

--開発体制はどうなっていますか。

 当社のソフトは、50名の自社スタッフが開発しているんですが、開発はすべてロシアのモスクワで行っています。開発チームはJava言語の経験が10年以上で、博士レベルの技術を持った人間で構成しています。

--なぜロシアなんですか?

 3年前、我々は、インドや中国など、世界12カ国18カ所を見て回りました。その上で、技術的にもコスト的にも、研究開発にはロシアが最適だという結論に達したのです。科学技術の分野では、ロシアの水準は米国や日本に匹敵します。にもかかわらず、人件費は低い。

 最近では、ロシアの技術力に気づいてMicrosoftやDellなどもロシアを開発拠点の1つにしていますが、大手の日本企業でロシアに人材を派遣したのは当社が最初だと思います。

--世界という言葉がでましたが、海外事業について聞かせてください。

 現在、韓国、中国、台湾、オーストラリアの4カ国で現地のインターネット企業と組んでSEM事業を展開しています。今後は、海外での提携をより強化していくつもりです。

--バリューコマースはモバイルアフィリエイトでも草分け的な存在ですね。今後、モバイルアフィリエイトではどのカテゴリが伸びていくと思われますか?

 現在、我々はいろいろな業種を51種類のカテゴリに分けて分析しているんですが、月ごとに売り上げが変わるため、一概にどれが1番伸びていくかとは言えません。ただ、常に人気があるのは、旅行、金融、物販の分野ですね。

--広告主は、パソコンとモバイルの媒体に広告を出す傾向にあるんでしょうか。

 どちらか一方にのみ広告を出す企業もありますが、最近では、モバイルアフィリエイトの効果が高いことを知って、パソコンとモバイルの両方を利用する企業が増えています。具体的には、ブログとモバイルサイトを組み合わせたものが多くなっていますね。

--バリューコマースが最終的に目指す姿は?

 もちろん、当社の企業ビジョンである「インターネットによる販売とマーケティングサービスで、グローバルリーダーとなること」です。これは日本に限った話ではありません。市場が伸びている韓国や中国などをはじめとした全世界に拡大し、本当の意味でのグローバルリーダーを目指していきます。

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