グローバルメディアオンライン(GMO)とバリューコマースは、アフィリエイト事業を行う新会社「GMOアフィリエイト」を4月21日付で設立した。資本金は1000万円で、株主構成はGMOが51%、バリューコマースが49%となっている。新会社の代表は、GMO新規事業担当の井上祥士郎氏が務める。
GMO 代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏は、GMOの現状として、「GMOはこれまで、利用者数の順位としてはヤフーや楽天に次いで3位(Nielsen//NetRatingsによる2005年4月17日週の週間順位)となっているにもかかわらず、GMOとしてのブランドを全面に押し出す戦略を取って来なかったため、ユーザーがGMOのサービスを利用しているという意識が薄かった」と説明する。その上で、「これは機会損失につながる恐れもある。今後GMOとしてのブランドを統一するため、IDの一元化とポイント制の導入を進め、ユーザーに利益をもたらすアフィリエイトを導入する。そのための第一歩となるのが今回の新会社だ」と述べ、新会社設立の背景について語った。
また、バリューコマース 代表取締役社長兼CEOのブライアン・ネルソン氏は、「バリューコマースは、広告主として約1000のECサイトと契約し、10万以上のサイトに広告を配信している。1日の広告配信数は3億3000万に及ぶが、GMOアフィリエイトを通じてパートナーのネットワークをさらに強化でき、流通力と販売力の大幅な向上につながる」としている。
左から、GMO社長 熊谷正寿氏、GMOアフィリエイト代表 井上祥士郎氏、バリューコマース CEO ブライアン・ネルソン氏
|
合弁会社の役割として、新会社代表となる井上氏は、「バリューコマースのアフィリエイトネットワークとGMOのメディアコミュニティサイトをかけあわせ、広告とメディアの効果的なマッチングを目指す」としている。新会社はまず、GMOの提供する4つのブログサービス(yaplog!、ロリポブログ、AutoPage、JUGEM)などのメディア上にてアフィリエイトサービスを提供し、GMOメディアを利用しているユーザーに新たな収入源を提供する。その上で、こうしたメディアと連携し、バナー広告やリスティング広告、コンテンツマッチ広告などの広告ビジネスを展開する。また、熊谷氏によると、「時期などは未定だが、将来的にはRSS広告配信も展開したい」としている。
バリューコマースは、ヤフーによる公開買付けが4月12日に完了し、ヤフーのグループ企業となったばかり。これにより、ヤフーでは同社の運営するYahoo!ショッピングにてバリューコマースのアフィリエイトプログラムを導入するほか、今後もYahoo! JAPANの各サービスとバリューコマースのサービスを連携させるとしていた。
この点についてバリューコマースでは、「ヤフーとGMOでは、分野が違う。ヤフーはECサイトを運営するなど、自社で提供するサービスが多く、分野が広い。一方のGMOは、広告を掲載するためのサイトの数が多い。両社それぞれの強みがあるため、“黒子”としてできることをさまざまな方法で提供したい」(バリューコマース広報)としている。合弁会社の設立にまで至ったのは、GMOより積極的なアプローチがあったためだというが、「バリューコマースはヤフーのグループ企業ではあるが、独立したビジネス戦略を取っている。今後も他社との提携は十分ありえる」としている。
一方のヤフーとしても、「アフィリエイトという事業の性格上、1社だけとのつきあいではビジネスが成り立たない。アフィリエイトマーケティングは広告事業として今後も拡大が見込まれる。バリューコマースも、今後GMOに限らずさまざまな企業と関係を持ち、事業を拡大するだろう」(ヤフー広報)としている。
GMOの熊谷氏は、GMOアフィリエイトの売上目標として、「3年後には10億円規模を目指したい」と述べた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス