Microsoftは、顧客サポートの向上を目指すGetHuman.comと共同で、業界全体を視野に入れた顧客サービスの新標準を策定しようとしている。
GetHumanの創立者であるPaul English氏は米国時間8月9日、ニューヨークで開かれたカンファレンス「SpeechTEK」で、新標準に関するドラフト文書を発表した。これは、電話による顧客サポートの自動サービスシステムが原因で起こるトラブルをなくそうとするものだ。旅行検索サイトKayak.comの創立者でもある同氏は、オペレーターによるサポートをユーザーが選択できる体制、ユーザーが同じ情報を繰り返し言わなくてもすむ仕組み、後に顧客サポートの満足度をレーティングできるサービスといった計画を新標準として提案している。
Microsoftや音声入力ソフトウェアを開発しているNuance Communicationsを含む企業数社は、GetHumanの取り組みに援助を表明し、新標準の策定を支援するとしている。
このプロジェクトに対するフィードバックを60日間にわたって募集し、その後新標準の完成版がリリースされる予定だ。予定通りに計画が進めば、企業は、GetHumanの定める標準に準拠している企業として自社を宣伝できるようになる。方法としては、GetHumanが規定したメロディである「earcon」を使って、電話をかけたユーザーが、その企業がGetHumanの定めた標準に準拠しているかどうか分かるようにする。
顧客サービスの貧弱さは、Comcastの修理技術者が仕事中に寝ている映像がYouTubeに掲載されたり、AOLをなかなか退会できないという問題がニュースになるなど、顧客サービス技術の問題が持ち上がっている折でもあり、大きな問題となっている。
Microsoftは、顧客サービスについて最高の企業とは言えない面もある。Microsoftは7月、いまだ5000万人以上が利用しているOSである「Windows 98」と「Windows Me」に対するサポートとセキュリティアップデートの提供を停止した。顧客サービスの品質向上をうたうGetHumanプロジェクトとの提携は、ソフトウェアの雄であるMicrosoftの自己改革を促すだろうか。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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