Anyは8月2日、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、ジャフコ、GMO Venture Partners、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、ネットエイジキャピタルパートナーズ、みずほキャピタル、三井物産、三菱商事、リアルコムの9社を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。
増資額は5億545万円で、内訳は非公開となっている。今回の増資を受けて、Anyの資本金は2300万円から2億7573万円、資本準備金は2億5272万円となる。SNSプロバイダーの資本金としては日本最大級となる。
Anyはネットマイル創業者の1人である畑野仁一氏が、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)の学生たちと共同で設立した企業。代表取締役社長に畑野氏が就任するほか、事業プラン発案者の学生やKBSのOBらが取締役を務める。
2006年5月から携帯電話向けソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「Any(エニー)」を運営しており、6月には携帯電話からアップロードした動画をPCで視聴できるサービス「Any TV」を公開した。さらに8月1日にはPC版のサービスも提供を開始した。
Anyの利用は無料で、一般のSNSのように既存ユーザーからの招待制をとっていないため、ユーザー登録をすれば自由に利用できる。そのため、招待性のSNSに比べて集客力が強く、サークルやファンクラブの公式コミュニティとして、企業の販促活動にも利用できるのが強みになると同社は説明する。
今回調達した資金により、サービス拡大のためのシステム開発や設備投資に充当し、動画等を介したWeb 2.0的なコミュニケーションサービスの拡充を図るとしている。今秋を目途にデータセンターを自社で構築する予定となっており、自社データセンターへデータをすべて移行次第、PCからの動画アップロードにも対応する。最終的には動画だけでなく音楽ファイルやWordファイルをはじめとしたOfficeドキュメント、PDFファイルなどをアップロード可能なサービスの提供も検討する。
今後はユーザー獲得のためのプロモーションを展開する。2007年3月までにPCと携帯を合わせて80万人のユーザーを獲得し、企業からの広告出稿料やコンサルティング料、企業向けのコミュニティ事業などにより、売上高1億7000万円を目指す。3年後の2009年3月にはユーザー数1000万人、売上高50億円規模までの成長を見込む。
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