シリーズ14本目となる携快電話の最新版が登場した。現在リリースされているドコモ、au、ボーダフォン、ウィルコム端末の端末、海外のケータイに対応するだけでなく、自動アップデートによって最新機種にも対応する。「全キャリア対応USBコード2本付き」のパッケージを購入しても4000円弱なので、初めてケータイメモリ編集ソフトを購入するユーザーにも手ごろである。
早速マシンにインストールし、USBケーブルでSO902iとPCを結び、ソフトを起動してみた。初めて起動すると機種の自動設定画面が立ち上がるが、僕のケータイの機種名は認識されず、リストの中にも端末名が見られなかった。しかし設定画面をキャンセルするとソフトウェアのアップデートが促され、アップデートを行って再度ソフトを起動すると、今度はすぐに画面に「DoCoMo - FOMA SO902i(ソニー・エリクソン/SO・S)と表示され、すぐにメイン画面が現れた。今までデバイスをPCで認識させるのに苦労する印象を持っていた僕にとっては、この自動処理に驚いた。
ひとまず初めての起動なので、「一括読み込みモード」を試してみた。このボタンを押すだけで、ケータイの端末の中にあるデータを丸ごと読み込んでくれるしくみである。ひとまずバックアップを取りたい、このソフトを使い始めたい、定期的なデータ保存をしたい、といったユーザーにとって便利で、このメモリ編集ソフトで最も簡単に、最も使われる機能になるだろう。この機能を活用した「簡単!ナビ」は、書くキャリアのショップにおいてあるメモリバックアップ端末のような使い勝手を手元のPCでも実現する。
1つ1つの機能へのアクセスも簡単だ。データの種類が示されたアイコン付きのメニューが示され、それを選択すると、すでに読み込まれているデータが表示され、すぐに編集できるようになっている。アイコンから読み込み、書き込みといった動作を選べば、ケータイとのデータ通信が準備され、ケータイ側で暗証番号と認証を入力すれば良い。非常にシンプルな動作を素早くこなせるようになっている点で、幅広いユーザーに受け入れられるのではないか。
新機能の中でも最大のポイントはMac OS X対応である。WindowsユーザーでもMacユーザーでもケータイは使っているわけで、ケーブル付きのメモリ管理ソフトの選択肢が増えた点でありがたい対応といえる。僕もMacにインストールして使ってみたが、非常にスムーズに導入し、読み込むことができた。ちなみにソフトウェアはUniversal Binaryではなく、PowerPCネイティブである。とはいえMacBookでもストレスなく軽快な動作を見せてくれる。
僕はアドレス帳のグループ名を絵文字で設定しているが、絵文字でのネーミングに対応していないのか、すべてのグループ名が「名称未設定」と表示されてしまった。またメモリダイヤルの名前に絵文字を使っている場合も文字化けしてしまう。名前の絵文字はフォントが対応していないから表示できないだけかもしれないが、グループ名の絵文字はソフトからケータイに戻すときに消去されてしまうかもしれない(怖くて試していません)。
メールを読み込むと、リストの横に相手のキャリアのアイコンが表示される。送信元のアドレスを認識しているようた。ドコモで受信したボーダフォンの文字化けしている絵文字が手元ではキチンと表示されており、元のメールの雰囲気を遅ればせながら確認できる。Mac版の画面では、読み込んだメールの送信元はアドレスがそのまま表示されている状態だ。せっかくアドレス帳も読み込んでいるのだから、ソフトの上でマッチングして、名前で表示してくれると気が利いているのに、と思ってしまう。
画像の保存についてはかなり時間がかかると踏んだ方がいい。僕のケータイには約20Mバイトの画像ファイルが保存されているが、これを転送しようとしたところ15分ほど待たされた。ケータイとMacを15分間放っておけば良いだけだが、しょっちゅうやろうという気にはならない待ち時間だ。あらかじめメモリカードに保管しておき、メモリカードのバックアップをPCで取る方が日頃の使い勝手は良さそうだ。
いずれにしても歓迎すべきMac対応であるが、注意する必要がある。初めてのMac対応だからかもしれないが、すべての機能に対応していないのだ。Mac OS X版で利用できるのはアドレス帳・メール・スケジュール・カメラ画像・オンラインアップデート・暗証番号解析・一括バックアップに限られる。QRコード作成・ムービー編集・着メロ着うた作成・待ち受け画面作成・フリーメモといった機能はWindows版のみでの対応になるのは残念だ。
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