ソニー、第1四半期決算でエレクトロニクスが着実に回復、ゲームは苦戦

 ソニーは7月27日、06年度(07年3月期)第1四半期連結決算を発表した。売 上高は前年同期比11.2%増の1兆7442億円、営業損益は270億円の黒字(前年同 期は66億円の赤字)、税引前損益は540億円の黒字(同129億円の黒字)、当期 純損益は323億円の黒字(同73億円の赤字)だった。増収のうえ利益面がプラ スに転じ、前年同期に比べ大幅に改善した。ゲーム、金融ビジネス分野では減 収となったものの、液晶テレビ「ブラビア」やデジタルカメラなどが好調に推 移するなど、「エレクトロニクス分野が着実に回復している」(大根田伸行・ 執行役EVP兼CFO)ことから、全体の損益向上に寄与した。

 エレクトロニクス部門の売上高は、液晶テレビ「ブラビア」、デジタルカメ ラ「サイバーショット」、パソコン「バイオ」のノートが好調に推移し、前年 同期比13.5%増の1兆2809億円、営業損益は前年同期の267億円の赤字から、47 4億円の黒字に転換した。

 一方、この第1四半期に苦戦したのはゲーム部門。「プレイステーション2 (PS2)」、「プレイステーションポータブル(PSP)」の販売数量が前年同期 比で減少したことで、売上高は前年同期比29.1%減の1225億円となった。営業 損益は268億円の赤字となり、前年同期のマイナス59億円から赤字幅が拡大し た。PSPについては、「『ニンテンドーDS』に押された」(湯原隆男・コーポ レート・エグゼクティブSVP)点を苦戦した要因の1つに挙げている。

 そのほか、今年2月に電子辞書の撤退を決め、生産については5月で終了した ことを明らかにした。撤退の理由は、「電子辞書市場での自社のシェアをみて、 競争力を見極めた」としている。しかし、「辞書コンテンツで得た出版社との 関係は、資産として今後の製品に生かす」方針を示した。

 06年度通期の連結業績見通しは、従来「その他の収益」に含めていた特許実 施許諾料を当期から売上に計上することにしたため、4月27日に発表した通期 見通しを修正した。売上高は、4月時点の見通し8兆2000億円を8兆2300億円 (前年度比10%増)に、同営業利益1000億円を1300億円(同43%減)とした。 なお、税引前利益1500億円(同48%減)、当期純利益1300億円(同5%増)は 変更していない。

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