「基本的に、Googleが重視しているのは、ヒトではなく情報だ」と技術ニュースレターRelease 1.0の編集者Esther Dyson氏は言う。Release 1.0は、CNET News.comを運営するCNET Networksの傘下にある。「今後Googleが、アルゴリズムで人を解釈するというアプローチにどのくらい近づけるかというのは興味深いところだ」(Dyson氏)
MySpaceのようなソーシャルネットワーキングサイトの人気は、一時的な流行に過ぎないのではと疑う声もある。しかし、MicrosoftやYahooなどの大手ポータルがソーシャルネットワーキングを本格的に取り込もうとしている事実は、こうしたソーシャルサ―ビスがウェブユーザーの共感を呼び、ひいてはディスプレイ広告および検索関連広告にも利益をもたらす可能性があることを示している。
例えば、Microsoftは、ソーシャルネットワーキングを利用して、ライバルのGoogleに対する戦術的優位を獲得しようとしている。
MSN Spacesのグループ製品マネージャMoz Hussain氏は、ブログ制作ツールMSN Spacesにソーシャルサービス機能を組み込むことで、ユーザーの定着度が高まり広告収入も増える、としている。
ComScore Networksの調査によると、2004年12月にサービスを開始したMSN Spacesは、ウェブ上で最も人気のあるソーシャルネットワーキングサイトになっている。これは、2005年、MSN Spacesにソーシャルネットワーキング機能を追加したことが功を奏したためとMicrosoftは見ている。同機能を利用すると、友人のブログが更新されたことをMSNのインスタントメッセンジャーで知らせることができる。
「利益につなげるには、とにかくページビューを稼ぎ、それらのページに広告を掲載すればよいことは明白だ」とHussain氏は言う。「しかし、Microsoftのサービスを2つ使えば、使い勝手が大幅に向上し、他のサービスも使うようになる」(Hussain氏)
その結果として、ディスプレイ広告と検索関連広告の量も増えると同氏は述べる。
Hussain氏によると、今後1〜2ヶ月で、MicrosoftはMSN Spacesおよび同社のソーシャルネットワークブランドであるWindows Live Spacesに、より多くのソーシャルネットワーキング機能を導入していく予定だという。このツールを使うと、ブログやIMのウィンドウに友人のリストを表示することができ、さらに、まもなくリリースされる「Friends Explorer」というツールを使えば、友人の友人を調べるといったことができるようになる。
Arnold氏によると、ソーシャルネットワーキングソフトウェアは、最終的に、MSNが検索でも勝つための近道になるという。ソーシャルネットワーキングによって、ウェブを巡回して、より適切な検索結果を生成するための目印が得られるからだ。
「MicrosoftはGoogleが積極的に取り組んでいない何かに注目している」(Arnold氏)
Orkutは、2004年1月、GoogleのエンジニアOrkut Buyukkokten氏の副業的なプロジェクトとして導入された。新サービスの導入直後はたいていそうだが、Orkutも当初は大変な人気となった。招待された者だけが参加できるというポリシーのおかげで、シリコンバレーの大物がメンバーに名を連ねるようになったからだ。しかし、それ以降は、MySpaceなどの他のソーシャルネットワーキングサイトの急速な成長と比べると、あまり伸びていない。
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