サンフランシスコ発--Intelは米国時間7月18日、「Itanium」チップの最新版「Montecito」(開発コード名)をリリースした。先行製品と比べてパフォーマンスが2倍になった同チップの発表で、前途多難なスタートを切った同社のハイエンドチップファミリ提供計画は、ようやく一歩前進した。
各種のMontecitoチップには、Itaniumラインとしては初めて2基のプロセッサコアが搭載された。今回リリースされた6種のMontecitoモデルのうち最上位製品の「9050」は、17億個のトランジスタと24Mバイトの高速キャッシュメモリを積んでいる。各種モデルのクロックスピードは1.4GHzから1.6GHzまでで、価格は696ドル〜3692ドルに設定された(1000個出荷時価格)。
以前のItaniumモデルは古い技術を使った速度の遅いプロセッサで、Intelの「Pentium」といった広く利用されているx86チップとのソフトウェア互換性もなかった。Intelはこうした欠点を持つItaniumにてこ入れし、メインフレームが大半を占めるハイエンドサーバで優勢を誇る、Sun Microsystemsの「SPARC」およびIBMの「Power」チップと競合できるようにした。Montecitoを手にした今、苦難は過去のものになったと、Intelは自信をのぞかせている。
同社のデジタルエンタープライズ部門ゼネラルマネージャーPat Gelsinger氏は、「新たなアーキテクチャを生み出すまでの道のりは、辛く苦しいものだった。Montecitoがわれわれに大きな弾みをつけてくれると確信している」と話した。
2005年のIntelは、弾みがついているとは言い難い状況に陥っていた。当初は2005年にリリースする予定だったMontecitoの発表が延期され、同チップの最高速度も200MHz削減された。また、冷却が十分に行われている場合に、クロックスピードをさらに200MHz上昇させることが可能な「Foxton」(開発コード名)と呼ばれる機能も、搭載が見送られた。Montecitoの前身である「Madison 9M」のリリース予定時期からは、実に2年近くも遅れが出る格好になった。
Mercury ResearchのアナリストDean McCarron氏によれば、Intelが1四半期中に出荷するItaniumプロセッサの数は10万個以下だが、出荷台数は徐々に増えているという。「Intelは、大規模な企業向けメインフレーム分野で独自のポジションを確保し、特定の顧客から指示されているようだ」(McCarron氏)
Montecitoベースサーバの一般販売は、9月から始まる予定である。発表記者会見においてGelsinger氏の背後には、総重量が8トンにもおよぶ、冷蔵庫大のMontecitoマシンを7台が置かれていた。
これらのシステムは、Itaniumを積極的に採用し、共同で開発を行っていたHewlett-PackardやHitachi、Silicon Graphics、NEC、Bull、FujitsuおよびUnisysが提供していた。HPは、トップクラスのサーバベンダー4社のうち、Itaniumモデルを販売していた唯一の企業である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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