最後に操作性に触れておこう。本機は中央の楕円形の十字キーと四隅の押しボタンで操作する。この表記がわかりづらく、操作になれるまでは迷いそうだ。たとえば電源は右斜め上の再生/停止ボタンを長押しするのだが、せめて「POWER」ぐらいの表記は欲しい。ICレコーダーなどで使用する録音ボタンを側面に配置したのいただけない。ボタンが小さいのでとても押しづらく、録音ミスをしてしまいそうだ。
ICレコーダーとして使う場合に重要な「録音インジケーター」がないのもツライ。ICレコーダーとして使う場合、録音できているか簡単に確認できるか、ということは重要だ。画面を表示すれば、確認はできるが、常時表示するバッテリー容量を考えるとそれは不可能だ。たとえば録音中は赤色のLEDを点灯させるなど、簡単ながらも一目でわかる工夫が欲しかった。このような小さな事が気になるほど、ICレコーダーとしても魅力のある製品ということだ。
alneo XA-C109を触った感想は「ビクターやったなぁ」といった、うれしい驚きを感じている。失礼を承知で打ち明けるなら、本機を触るまでは、“iPod nanoに対抗するために多機能にした携帯音楽プレイヤー”という、印象しか受けていなかった。一部の海外製のように“帯に短したすきに長し”的な製品をイメージしていたのだ。
しかし、実際に使うと印象は変わった。音楽プレイヤーとしての録音、再生音質は安定しており、なかなか“聴かせる”プレイヤーだと感じた。さらにボイスレコーダー、高画質の有機ELによる美しい写真再生、そして専用機にも匹敵する高音質のFMチューナーなど、どれをとっても想像を超えるクオリティだった。これなら主立った携帯型音楽プレイヤーを使っていても買い替えを検討したくなる要素は多いが、価格と容量が気になる。1Gバイトという容量ながら2万円台半ばという価格は、音楽プレイヤーとしては“割高ゾーン”に入ってしまう。
しかし音楽も楽しめるICレコーダーとして考えるとがぜん魅力は増してくる。すでに同じようなコンセプトのICレコーダーとして1Gバイトのフラッシュメモリーを内蔵する製品もあるが、ICレコーダーとしての機能はそのモデルとさほど変わらず、それでいて音楽プレイヤーとしての機能は群を抜くほど優れている。オマケにFMも聞ける。音楽プレイヤーとしてだけでなく、ビジネスツールとして使用すると輝きが増す、そんなアイテムだ。
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