DN-2000は、価格が魅力の手軽に使えるMP3プレイヤー。価格だけを聞くと「ホントに使えるの?」と思ってしまうが、比較的しっかりした作りで基本的なプレイヤーの要件はクリアしている。たとえば、曲の再生開始時には短くフェードイン効果がかかるようになっていて、「ブチっ」というようなノイズが入ったりはしない。時間を表示するようなディスプレイの類は搭載していないが、音を聞きながら早送りや巻き戻しができるので、曲のサビの部分を何度も聞きたい、といったこともムリなくできる。レジューム機能を搭載しており、電源をON/OFFしても前回再生していた曲から再生することができる。
本体は58×60×13mm、重さ30g(乾電池除く)と、十分に小さい。色は、ハネムーン(ピンク)、わさびグリーン、マリッジブルー、スカイブルー、ブラックと5種類が用意されていて、質感も悪くない。数万円クラスのメジャーメーカーの製品に比べれば見劣りするが、ネックストラップ型ステレオイヤホンやUSBケーブルも付属し、安っぽさは感じさせないきちんとした作りである。
音質的には、若干ノイズが入ってしまうし、高音・低音のバランスもいまひとつだが、これもあくまでも比較の問題であって、BGM的に音楽を聞くには十分だ。機能的には、曲の再生・停止、曲のスキップ(前の曲へ、次の曲へ)、早送り・巻き戻しと、音量の調節だけというシンプルさ。対応フォーマットもMP3だけ、VBRには対応するものの、ビットレートは64〜256Kbps、ステレオのみと割り切った設計だ。
曲の転送には、特別なソフトは必要としない。USBケーブルで本体とPCを接続するとUSBストレージとして認識されるので、通常のWindowsの操作でMP3ファイルをコピーすればいい(USB 1.1)。注意しなければならないのは、メディアのフォーマットをFATにしなければならないこと。SDメモリーカードの容量も、1Gバイトまでの対応である。
また、MP3のエンコードやCDのリッピングなどのソフトは付属していないので、MP3ファイルは、Windows Media Playerなどを使って作成する。フォルダにも対応(推奨は3階層まで)しており、[アーティスト]-[アルバム]といったフォルダを作り、その中に整理してMP3ファイルを入れておくことができる。ただし、曲の再生順はフォルダ構造やファイル名ではなく、SDカード内での保存位置(メモリのアドレス)に依存してしまうため、聞きたい順番でコピーを行う、といった配慮が必要だ。
プレイヤー本体には、独立した5つのボタンが付いており、音量の+/−、再生・停止、曲送り前/次、に対応していて、電源のON/OFFは再生ボタンの長押しで行う。ボタンはゴムカバーの奥にある突起を押し込むような感じで、クリック感の強いもの。カバンやポケットのなかでかってに押されるような心配はなく、したがってホールドボタンも用意されていない。電源には単4型乾電池1本を使用し、アルカリ乾電池の場合で連続再生時間は5時間となっている。
ランダム再生やイコライジングといった便利機能はないものの、プレイヤーとしての基本的な機能を搭載し価格を抑えたという、このDN-2000。128Mバイト程度の容量ならSDメモリーカードとセットでも2,000〜4,000円程度で手に入ってしまうから、他の製品ではできない使い道が考えられる。
たとえば、ちょっとしたプレゼントや入院中の友だちへのお見舞いなど、この価格ならプレイヤー込みで手軽に渡すこともできる。自作の曲や演奏を録音して、プレイヤー付きで渡せば、聞いてもらえる機会も増えるだろう。PCにうとい相手にどうしても聞いてほしい録音があるときも、プレイヤーとセットで渡してしまえばいい。操作はシンプルだから、相手が悩むようなこともないだろう。低価格なりにきちんとした作りで、プレイヤーの操作性もポイントだ。
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