映像共有サイトの大半が何とか利益を出そうと苦心する中、貢献度に応じて広告収入の一部を映像作家に分配するサイトが出現した。
試験段階にある新興の映像共有サイト、Eefoof.comは米国時間7月3日、同サイトに掲載したメッセージの中で、「インターネットコンテンツの作成者には、作品に対する報酬が支払われてしかるべきであり、彼らは他人の利益のためにその作品を利用させるべきではない」とし、さらに「コンテンツ作成者にサイト収入の一部を電信振替で毎月支払う」と述べた。
映像共有サイトの最大手であるYouTubeのライバル企業は、Eefoof以外にすでに150社以上存在するが、いずれの企業も手作り映画の共有サイトの運営で利益を上げる方法を模索しているのが現状だ。
YouTubeも設立後1年以上経つが、未だに今後の収益モデルを完全には公表していない。Gubaなどの他の映像共有企業も経営は黒字としながらも、大きな利益を上げるには至っていないという。Gubaの最高経営責任者(CEO)であるThomas McInerney氏によると、同社の2006年の売り上げは1200万ドルの見込みだという。
このような状況下で、映像作家らに利益を分配することで果たしてEefoofが経営を維持できるのか否かは、アナリストらにとって大きな関心事だろう。しかし、多くの映像共有サイトが人を引きつける魅力的なコンテンツを求めている中で、Eefoofの利益分配システムは、優れた映像作品を集める上で強力な武器になる可能性がある。
Eefoofが提示している利益分配システムは以下のような内容だ。まず、同サイトは月に一度、投稿された映像ごとにページビュー数を集計する。その上で、全体のトラフィック量を計測して、各映像のページビュー数が全体の何%に当たるかを算出し、その割合に応じて広告収入が分配される。
Eefoofのウェブサイトには、「25ドルを超える分配金は、PayPalを通じて支払う」と書かれている。同サイト上では、利益配分の具体的な割合は明らかにされていない。この点について、3日にEefoof.comの関係者にコメントを求めたが回答は得られなかった。
このEefoofのシステムを利用し、NBC Universalの人気番組「Saturday Night Live」のクリップを同サイトにアップロードすれば自動的にお金が転がり込んでくると考えている人はがっかりすることになるだろう。Eefoofは、他人の著作物をアップロードした人には分配金は支払わないとしている。
Eefoofはすでに注目を集めている。ニュースサイトのDigg.comやSlashdot.comで取り上げられたのをきっかけに、同サイトにアクセスが殺到したと見られ、3日の朝はなかなか開けない状態が続いた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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