Microsoftは、WinFSの技術を最初にWindowsではなくSQL Serverデータベースに採用することを決定した。WinFSのプログラム管理チームを率いるQuentin Clark氏が米国時間6月23日付けのブログで計画を明らかにした。
Clark氏によると、次期SQL Server(開発コード「Katmai」)では、非構造化データの格納や運用の自動化などでWinFSの機能を活用する予定だという。
Microsoftは2003年にWinFSの説明を行った際、これが2007年1月に出荷されるWindows Vistaの「柱」の1つになると述べていた。しかし同社はその後、WinFSの開発は継続するものの、Vistaへの搭載を見送ると発表した。
WinFSの当初の目標は、すべてのWindowsアプリケーションに共通のファイルシステムを提供することで、Microsoftはこの構想を何年も前から語っていた。メーラのOutlookなどのアプリケーションごとに専用のファイルフォーマットを用意するのではなく、WinFSですべてのアプリケーションに対応するというのが当初の構想だった。
Microsoftは今もWindowsへのWinFS搭載をあきらめていない。だが、機能の一部をSQL Serverに組み込むという今回の決定は、同社がWinFSを独立したコンポーネントとして提供する予定はないことを意味すると、Clark氏は述べる。
「これらの変更は、WinFSを個別に提供する意向がないことを意味する。今はWinFSの機能のうち、機が熟したものをSQL(Server)やADO.NETに組み込むべく作業している。WinFSを独自の製品として提供する必要はなくなったということだ」とClark氏のブログには書かれている。
Clark氏のブログには、WinFS戦略の新しい情報に対する失望のコメントも寄せられている。
たとえば、同氏のブログには「WinFSは、ファイルシステムを強化し、Windowsアプリ用に新しいデータストレージプラットフォームを提供するWindowsのコンポーネントとして売り込まれていた。だが、この構想は消えた。取り返しの付かないことになってしまった」とのコメントが書き込まれている。
Microsoftの幹部らによると、SQL Server 2005の後継バージョンであるKatmaiは、向こう2〜3年のうちにリリースされる見通しだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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