オーストラリア政府が、約8600万ドルを投じて全国の家庭にインターネットポルノ遮断ソフトウェアを無償提供する計画だ。
この構想は、Helen Coonan通信・情報技術・芸術省大臣が米国時間6月21日に発表した。Coonan大臣の報道官がZDNetオーストラリアに語ったところでは、この無償フィルタは6カ月以内に政府のポータルサイトからダウンロード可能になるはずだという。
Coonan大臣は声明を出し、「これにより、オーストラリアの全家庭がインターネットを楽しめるようになる。これは、インターネットポルノが提起する問題に対するシンプルで、安全で、効率的な無償のソリューションだ」と述べた。
「子供を持つ全世帯が、家庭にあるコンピュータ用のフィルタを無償で入手できるようになる。また、オーストラリア全国の図書館には子どもに配慮した安全な端末を設置する」(Coonan大臣)
同省のリリースに「安全で効率的なコンピュータフィルタを使って、子どもによるインターネット利用を規制することのメリットを、オーストラリアの全家庭が確実に認識できるようにする、包括的な全国的コミュニティー教育キャンペーン」とあるように、オーストラリア政府はこの構想に政治的効果を期待する可能性が高い。
この構想で提供するフィルタリングソフトウェアは、現段階では具体的に決まっていない。同省関係者によると、公認プロセスを用意することになるという。フィルタリングを提供するプロバイダーの顧客にとっては、インターネットサービスプロバイダーレベルでのフィルタリングも選択肢になる。
「この計画では、各家庭のコンピュータにフィルタのかかったサービスを提供するか、フィルタを無償で提供することになる。専用のウェブサイトからダウンロードするか、CD-ROMで配布する形になる。また、ISPには新旧両方の顧客に追加料金なしでフィルタを提供するよう義務づける」(Coonan大臣)
また、サービスプロバイダーレベルでフィルタリングを提供するISPには割戻金が支払われる。
政府の要請を受けてインターネットの全管理を行うNetAlert Limitedは、368万ドルの資金援助を受け、オーストラリア通信・メディア局(ACMA)と同じ場所で業務を行う。
全予算のうち3年6869万ドルはフィルタリングソフトウェアに利用される。Coonan大臣の報道官によると、同プログラムは3年目に見直しを行うという。
関係者によると、各種コンテンツフィルタリングを提供するISPが現在ほとんどないため、政府はISPレベルのフィルタリングについて4回目の実行性調査を行うという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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