これだけ多くのファミリー向けサイトがウェブで同時に人気を集めているのは、ソーシャルネットワーキングとWeb 2.0の組み合わせによってもたらされた、さして内容のない一時の流行なのだろうか。それとも、テクノロジなどには興味はないがようやくウェブに目を向けるようになった「後発組」の人たちを取り込むレベルにまでウェブが成熟してきたということなのだろうか。
MySpaceが急成長を遂げたことで、ソーシャルネットワーキングでニッチ市場を掘りだそうとする人たちが登場し始めている。
「子供たちがテクノロジをよく知っているので親たちも遅れないようについていかなければならない。おかげで、親たちもネットの世界で起こっていることを理解できるようになってきた」とCookさんは言う。
Kraus氏によると、JotSpotがFamily Siteのアイデアを思いついたのは、多くの人たちがビジネス向けのWikiテクノロジを、誕生日をメモしたりカレンダーを共有したりするなどのプライベートな人付き合いに利用していたからだという。
「JotSpotのユーザーがやっていたことをそのままできるようにしただけだ。しかし、Wikiは決して分かりやすいテクノロジではないので、Family SiteではWiki的なところを表に出さないようにした」(Kraus氏)
Family Siteを使用すると、安全なファミリーサイトをものの数分で構築できる。その上、投票ツールや、家系を図解して何代も前の先祖を調べることができる対話型家系図といった機能も用意している。
バージニア州ノーフォーク在住のDavid Smithさんは、彼を最年長に20人の孫を持つ祖父といっしょに、米国中に離れて住んでいる家族同士がもっと連絡を取り合えるようにファミリーサイトを作る話を進めていた。そんなとき彼が見つけたのが5月にサービスを開始したJotSpotのFamily Siteだ。
「私たち家族は、住んでいるところだけでなく、コンピュータの経験も年齢も実にさまざまだ。そのため、皆が参加できる簡単なものが必要だった」とSmithさんはメールで応えてくれた。「Family Siteは、簡単なだけでなく、家系図を作成したり、家族間でレシピを共有したりといった期待以上の機能を提供していた。おかげで離れて住んでいる家族間の壁が取り払われ、皆が大きな家族の一員であると実感できるようになった」(Smithさん)
Family 2.0サイトは、自分たちでもそうしたサイトが欲しいと感じていた家族によって開設されたものがほとんどだ。
PaulさんとMilenaさんのBerry夫妻は、フォトシェアリングと家系図サービスを提供するサイトAmigliaを開設した。個人の資金でこの2月にベータ版を公開したが、Berry夫妻はこの夏に新バージョンを稼働する予定だ。2人によると、Amigliaは既に10万人の利用者を獲得しているという。
「われわれが目指したのは、オンラインスーパーマーケットのWebvanとは正反対の低コスト運営だ。Amiglia はごくわずかな資金で構築開発することができた」とBerryさんは言う。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」