ATOK 2006に標準搭載する辞書は、一般的な文書作成において、ほぼ完璧な語彙を提供してくれる。大げさに言うと固有名詞や特殊な用語を除いて、ATOK 2006の標準辞書が変換できない用語は基本的に使わない方がいい。たぶんその用語は間違っているか、ほとんど使われることがないものなのだから。
だが、文書の作成という作業は、あらゆる業種で行われる。中にはその業種、分野でしか使われないのだが、頻繁に登場する用語などもあるだろう。「専門分野」の文書となると、さすがのATOK 2006であっても「標準搭載の辞書では厳しい」状況となってくる。
そんな専門分野の文書作成をサポートしてくれるのが、ATOKシリーズに対応した専門用語変換辞書である。たとえば「専門分野」と言われて、誰もが真っ先に思いつくのが「医療の現場」である。医療現場では医学用語、薬学用語が飛び交っており、もちろん医療関係の文書作成でも専門用語が駆使されている。
そういった一般では使用しない用語を駆使し、文書をスムーズに作成するにはどうしたらいいのか? 変換できない用語が登場するたびに、ユーザー登録を行うのか? もちろんいったん正しく変換してしまえば、その用語をユーザー登録するのはワンタッチである。とはいえ、数が多くなれば面倒だし、作業効率にも影響する。ならば「医療辞書'06 for ATOK」を、最初から導入しておくことをおすすめする。
数あるATOKシリーズ用の専門用語変換辞書の中でも、医療辞書'06 for ATOKは実績が高い。辞書の中には最新の医療用語、20万語以上が収納されており、医療現場における日本語入力、文書作成を強力にサポートしてくれる。また、下記のような特殊変換辞書も収納されていて、医療現場では大変重宝しているという。
・ICD10変換辞書
・薬品商品名一般名変換辞書
・医学用語和英変換辞書
・識別コード辞書
ちなみに医療という専門分野の話なので、知人に聞いてみたところ「IDC10というのは国際規格」とのこと。ついでに「ATOKシリーズと医療辞書'06 for ATOKを組み合わせると、そのコードで変換できる」と説明したところ、「それは便利なはずだ」という答えが返ってきた。また、「識別コード辞書」というのは、薬品の識別コードから薬品名に変換できる辞書とのことだ。
また、略語の綴りをたとえば「@TPA」と入力して変換すると、フルスペルで入力できるのだという。実際に試してみたところ「@TPA」からフルスペル、さらには別の医学用語へと変換することができた(TPAというのは、ドラマ「ER」で頻繁に登場する医学用語……らしい)。
もちろん専門用語変換辞書は、医療辞書'06 for ATOKだけでなく、さまざまな分野向けのものがリリースされている。
●公用文、公的書類分野
ぎょうせい 公用文表記辞書
●マスコミ分野
共同通信社 記者ハンドブック 辞書 第10版
●企画や制作分野
NHK 新用字用語辞書 第3版
●法律関係分野
有斐閣法律法学用語変換辞書V2
●生命科学・先端的な研究分野
ライフサイエンス辞書Plus 2006
●東洋医学分野
新・東洋医学辞書V5 [ユニコード辞書]
●歯科医療分野
かな漢字変換用歯科医学辞書
●技術・実務翻訳分野
電気・電子・情報17万語変換・対訳
●建築・土木分野
建築・土木用語変換・対訳
●機械・工学分野
機械・工学17万語変換・対訳
●製造業(化学・農学系)分野
化学・農学11万語変換・対訳
ズラッと並んだ専門用語変換辞書のうち、やはり職業柄気になったのが「電気・電子・情報17万語変換・対訳」だ。読んで字のごとく、電気用語、電子用語、情報用語などの分野で使われる専門用語を約17万語収納している辞書だ。ちなみにここで注意して欲しいのは「変換」だけでなく「対訳」も行うことができる点だ。
上記の専門用語変換辞書で、「変換・対訳」となっているものは、日本語への変換だけでなく、英語表記への変換も可能なのである。ほかの分野でもそうだろうが、最近では英語表記が求められる機会が多くなった。そんな時、「変換・対訳」辞書なら変換作業だけで正確なスペルの単語を入力できるのだ。
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