ATOK 2006を進化させる、ATOK 2006 for Windows [辞書活用セット]/一太郎2006 [辞書活用セット] - (page 3)

ジャストシステム
内容:無敵の日本語入力システム、ATOK。最新版であるATOK 2006の優れている点は、作成する文書の質を向上させるオプションや専門分野での文書作成を助けてくれるオプション辞書が多数用意されていることだ。6月には、ATOK 2006が搭載されている「一太郎2006」、単体パッケージ「ATOK 2006」に15種類の辞書から選べる「辞書セット」も登場する。では、そのオプション辞書とはどういうものなのか。今回は、15製品の中から人気のある4つの辞書について紹介する。

用語の入力に悩むぐらいなら、専門用語変換辞書を

 ATOK 2006に標準搭載する辞書は、一般的な文書作成において、ほぼ完璧な語彙を提供してくれる。大げさに言うと固有名詞や特殊な用語を除いて、ATOK 2006の標準辞書が変換できない用語は基本的に使わない方がいい。たぶんその用語は間違っているか、ほとんど使われることがないものなのだから。

 だが、文書の作成という作業は、あらゆる業種で行われる。中にはその業種、分野でしか使われないのだが、頻繁に登場する用語などもあるだろう。「専門分野」の文書となると、さすがのATOK 2006であっても「標準搭載の辞書では厳しい」状況となってくる。

 そんな専門分野の文書作成をサポートしてくれるのが、ATOKシリーズに対応した専門用語変換辞書である。たとえば「専門分野」と言われて、誰もが真っ先に思いつくのが「医療の現場」である。医療現場では医学用語、薬学用語が飛び交っており、もちろん医療関係の文書作成でも専門用語が駆使されている。

  • 「医療辞書'06 for ATOK」のメイン辞書は「標準辞書セット」に登録しておく。

 そういった一般では使用しない用語を駆使し、文書をスムーズに作成するにはどうしたらいいのか? 変換できない用語が登場するたびに、ユーザー登録を行うのか? もちろんいったん正しく変換してしまえば、その用語をユーザー登録するのはワンタッチである。とはいえ、数が多くなれば面倒だし、作業効率にも影響する。ならば「医療辞書'06 for ATOK」を、最初から導入しておくことをおすすめする。

 数あるATOKシリーズ用の専門用語変換辞書の中でも、医療辞書'06 for ATOKは実績が高い。辞書の中には最新の医療用語、20万語以上が収納されており、医療現場における日本語入力、文書作成を強力にサポートしてくれる。また、下記のような特殊変換辞書も収納されていて、医療現場では大変重宝しているという。

・ICD10変換辞書
・薬品商品名一般名変換辞書
・医学用語和英変換辞書
・識別コード辞書

 ちなみに医療という専門分野の話なので、知人に聞いてみたところ「IDC10というのは国際規格」とのこと。ついでに「ATOKシリーズと医療辞書'06 for ATOKを組み合わせると、そのコードで変換できる」と説明したところ、「それは便利なはずだ」という答えが返ってきた。また、「識別コード辞書」というのは、薬品の識別コードから薬品名に変換できる辞書とのことだ。

 また、略語の綴りをたとえば「@TPA」と入力して変換すると、フルスペルで入力できるのだという。実際に試してみたところ「@TPA」からフルスペル、さらには別の医学用語へと変換することができた(TPAというのは、ドラマ「ER」で頻繁に登場する医学用語……らしい)。

  • メイン辞書以外は辞書セットに登録しておき、専門分野のみの変換を行うといった「使い分け」をすると便利だ。

  • 略語の変換例。まず「@TPA」と入力する。

  • 変換するとこのように、略語の元になっているフルスペルが表示される。さらに変換すると……。

  • このように専門的な医療用語への変換が行われる。

  • 医療関係の現場してか使われないような専門用語の変換、そしてコード番号による変換が医療辞書'06 for ATOKの導入で可能になる。

  • いちいち単語登録する必要がなくなるのである。また「文書内の用語統一」という点でも効果が期待できる。

 もちろん専門用語変換辞書は、医療辞書'06 for ATOKだけでなく、さまざまな分野向けのものがリリースされている。

●公用文、公的書類分野  ぎょうせい 公用文表記辞書
●マスコミ分野  共同通信社 記者ハンドブック 辞書 第10版
●企画や制作分野  NHK 新用字用語辞書 第3版
●法律関係分野  有斐閣法律法学用語変換辞書V2
●生命科学・先端的な研究分野  ライフサイエンス辞書Plus 2006
●東洋医学分野  新・東洋医学辞書V5 [ユニコード辞書]
●歯科医療分野  かな漢字変換用歯科医学辞書
●技術・実務翻訳分野  電気・電子・情報17万語変換・対訳
●建築・土木分野  建築・土木用語変換・対訳
●機械・工学分野  機械・工学17万語変換・対訳
●製造業(化学・農学系)分野  化学・農学11万語変換・対訳

 ズラッと並んだ専門用語変換辞書のうち、やはり職業柄気になったのが「電気・電子・情報17万語変換・対訳」だ。読んで字のごとく、電気用語、電子用語、情報用語などの分野で使われる専門用語を約17万語収納している辞書だ。ちなみにここで注意して欲しいのは「変換」だけでなく「対訳」も行うことができる点だ。

 上記の専門用語変換辞書で、「変換・対訳」となっているものは、日本語への変換だけでなく、英語表記への変換も可能なのである。ほかの分野でもそうだろうが、最近では英語表記が求められる機会が多くなった。そんな時、「変換・対訳」辞書なら変換作業だけで正確なスペルの単語を入力できるのだ。

  • 「電気・電子・情報17万語変換・対訳 for ATOK 2006」を導入したら、任意の「辞書セット」に登録しておこう。たとえば「辞書セット5」なら、F5キーを押すことで、その辞書を使った変換が行える。

  • 「めいそうでんりゅう」を正しく変換できるというだけでなく、英単語に和英変換することもできる。

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