NB75Sに限らず、BIBLO各機種には、豊富なソフトウェアが付属している。機種ごとに多少バラつきはあるものの、プレインストール、添付を合わせると、その数実に80種類以上。WordやExcelといったビジネスソフトの定番から、各種ユーティリティー、ゲームやAV関連ソフトにいたるまで、ソフトウェアのジャンルは多岐に渡る。購入したその日から、仕事に趣味にと、幅広く使えるのだ。
もっとも、ソフトウェアの種類が多すぎて、戸惑ってしまう人も中にはいるだろう。そのような場合は、電子マニュアル「富士通サービスアシスタント」やソフトウェアランチャー「@メニュー」などを活用するといい。自分の目的に沿ったソフトをすぐに探し出せるし、使い方も簡単に習得できる。
NBシリーズの中でもNB75S、NB55Sにのみ搭載されている「フラットポイント・デジタイザ」は、タッチパッド部分がペンタブレットのようにも使えるというものだ。これは、タブレットメーカーとして有名なワコムが開発した「ペナブル・デュアルパッド」技術によって実現した機能である。
タッチパッドとタブレットの切り替えについては、ユーザー側は特に意識する必要はない。付属している電子ペンをタッチパッドに近づけると、タッチパッドは自動的にペンタブレットに切り替わり、絶対座標のポインティングデバイスになる。電子ペンをある程度遠ざければ、通常のタッチパッドのような、相対座標移動をする動作に戻る。
切り替えは瞬時に行われるため、ストレスを感じることはまったくない。実際に試してところでは、電子ペンとタッチパッドの距離が1〜2cmほどに近づくと、ペンタブレットに切り替わるようだ。よほど変な位置に電子ペンを置かない限り誤動作することはないので、ユーザーは自然に2種類のデバイスを使い分けられるはずだ。マウスと併用すれば、使い分けはもっと簡単になるだろう。
ペンタブレットの精度も十分なものだ。最初はタッチパッドのスペースが多少狭く感じたが、使っているとすぐに慣れてくる。緻密な描画などはさすがに難しいが、ちょっとした文字や絵を書く分にはまったく困らない。NB75S、NB55Sには、この機能を利用したソフトウェアがいくつも付属しており、絵を描いたり、手書きのメモをとったり、直筆メールを送ったりなど、さまざまな使い方が可能だ。もちろん、これまでマウスやタッチパッドを使っていた作業を、ペンタブレットで行うこともできる。たとえばフォトレタッチ作業などは、マウスよりもペンデバイスのほうが威力を発揮するはずだ。最終的にはユーザーの慣れや好みになるだろうが、選択肢が広がったことは単純に歓迎したい。
ちょっと残念な点もある。ペンタブレットの特徴のひとつである筆圧感知機能が、「水彩LITE」など、一部のアプリケーションでしか動作しないことだ。筆圧感知ができないならできないであきらめもついたのだが、なまじその機能が使えるソフトがあるだけ、別のソフトを使っているときにもどかしく感じてしまう。
とはいえ、一般にはまだ馴染みの薄いペンタブレットというデバイスが、多くのユーザーが気軽に使えるような形で提供されたことはなかなか意義深い。このような新しいインターフェースは、普及することによってさらなる展開を見せてくれるはずだ。ワコムによると、この機能は事実上タッチパッドと同じスペースで実装できるため、基本設計を変更せずにさまざまなノートPCに組み込むことが可能とのこと。今後、より多くの機種に当機能が搭載されることを期待したい。
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