三井物産はニューズウォッチと提携し、コンテンツマッチ広告の分野に進出する。ニューズウォッチが持つ日本語解析技術を利用して、コンテンツと広告の関連性を高め、この分野で先行するグーグルのAdSenseに対抗する。
サービス名は「Co-match(コマチ)」。三井物産の子会社で、インターネットマーケティングサービス事業を手がける三井物産ヴィクシアが販売を担当する。三井物産ヴィクシアは、これまで三井物産が手がけていたメールマーケティングサービスのmiemsやリスティング広告サービスのLISTOPを引き継いで2月に設立されたばかりだ。Co-matchはLISTOPと連動したサービスで、当初はLISTOPの顧客を中心に販売する。
コンテンツマッチ広告とは、サイトやブログの文章を解析し、その内容に近い広告を掲載するというもの。通常のバナー広告やテキスト広告に比べてクリックレートが高いとされている。ニューズウォッチはもともと東芝の子会社で、東芝研究センターで開発した自然言語処理技術に強みを持つ。三井物産はニューズウォッチの技術を利用することで、キーワードマッチ広告よりもユーザーの趣味や好みに近い広告を掲載し、広告効果を高めることを狙っている。
「これまで、LISTOPでは検索に対する広告しか出せなかった。Co-matchにより、ソーシャルネットワーキングサービスやブログ、ニュースサイトなどさまざまなところに広告が出せるようになる」と三井物産ヴィクシア代表取締役社長の坂田祥司氏は期待を寄せる。
コンテンツマッチ広告としては、グーグルのAdSenseが先行している。しかしニューズウォッチ代表取締役社長の金田直之氏は、「日本人が日本語に特化して開発したエンジンを持っているのが強みだ。これにより、本当に内容に合った広告が出せる」と自信を見せる。また、サービスや商品に対してネガティブなキーワードが本文中に含まれている場合には、自動的にその記事を広告掲載対象から外す機能も備える。これにより、例えば「プールで人がおぼれた」というニュースに、プールの広告が掲載されるといったことがなくなるとのことだ。
広告はLISTOPに出稿されているものが掲載される。すでにニュースサイトのCNN.co.jpや地域情報サイトのビットストリートに提供を開始している。
両社は今回の取り組みについて売上目標を明らかにしていないが、三井物産ヴィクシアではCo-matchのほか、新規事業なども含めて3年後に売上高100億円を目指すとしている。
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