パソコンを買ったら何をしたい? パソコンを持っていない人にこういう質問をすると、ちょっと前は「インターネット」という答えが一番多かったように思う。だが、最近は携帯でもwebページを見たりメールをしたりするのが当たり前になっているせいか、「デジカメで撮った写真の編集」や「DVDを見たい」「映像を編集したい」という要望にシフトしてきているらしい。色々とパソコンと接続できるデジタル機器が増えてきたので、それらをもっと活用したいということだそうだ。
AppleのiLifeシリーズは、そういったデジタル機器と接続する「デジタルハブ」を実現しているソフトだ。デジカメで撮った写真を管理することができるiPhoto、DVカメラで撮った映像を編集することができるiMovie、DVDパッケージを作る事ができるiDVD、音楽を作る事ができるGaragebandは、どれも同じような操作感で簡単にコンテンツを作ることができる。そして今回バージョンアップしたiLife'06から、ブログやPodcastを簡単に作ることができるiWebも加わった。新機能を中心に、レビューしていきたいと思う。
Mac OS Xユーザーの間ではもはや定番になっている画像管理ソフトが「iPhoto」だ。今回のバージョンアップでは、iPhotoが管理できる画像の枚数が大幅にパワーアップした。その数なんと25万枚。1日に100枚の写真を撮っても、全部埋め尽くすには2500日、約7年かかる計算になる。仕事などで写真を撮っている人は別にして、通常の使い方ならば十分と言える数だろう。
それだけ膨大な数になると、ライブラリの中から写真を見つけ出すのが難しいのではないかと感じるのだが、その辺も工夫がなされている。Exifデータを読み込んで自動的に写真を整理してくれるので、カレンダーを使って日付から検索したり、ファイル名や画像につけたコメントから検索することができる。さらに、今回はライブラリをスクロールさせるときに日付などが表示されるようになった。これで、膨大な数の写真をスクロールさせているときに、いま見ているのがいつぐらいに撮った写真なのかということがすぐにわかる。
パワーアップしたのは画像管理部分だけではない。iPhoto6.0から新たな画像編集機能として「エフェクト」が加わった。これは「白黒」「セピア」などのさまざまなエフェクトを自動的に写真に適用するという機能だ。あっという間に8種類のエフェクトを適用することができる。もちろん、エフェクトが気に食わなかったらすぐに戻すこともで きるので、安心して試すことができる。
こういった画像編集がフルスクリーンでできるようになっている。フルスクリーンモードにすると、ウインドウの枠やボタンなどの余分なものはいっさい表示されず、写真の編集だけに集中する事ができる。ウインドウ上部にマウスを持って行くとライブラリが、下に持って行くとボタンが表示される。調整ウインドウなどは半透明表示されるため、写真編集中にも邪魔と感じる事は無い。このフルスクリーンモードは、特にCinema Displayなどの大型ディスプレイを使用している人にオススメだ。実際、筆者は20インチのCinema Displayを使用しているのだが、フルスクリーンモードにすると実際よりも写真が綺麗に表示されたかのような錯覚に陥ってしまった。周囲が黒で余分なものが表示されていない状態が、写真を際立たせているのだろう。
また、画像編集では2枚の写真を比較しながら編集することができるモードも加わっている。他の写真と比べながら色の補正などを行うことができるので、1つのアルバムの中で統一感を持たせたいときなどに役立つ機能だ。
iLife'06では全体的に.Macとの連携が強化されている。iPhotoではPhotocastとして、自分のアルバムを.Mac上に公開できる機能が新たに加わった。これば言うなれば、PodcastのPhoto版になるが、かなり面白い。Photocastに公開したアルバムに、写真を加えたり編集を加えると、自動的に公開されている写真も更新されるのだ。公開している側は、iPhotoを使って普段通り編集などを行うだけでいい。かなりお手軽に、友人と写真を共有することができるだろう。
なお、Photocastを公開したときに「アルバムが.Macに公開されました。」というパネルが表示されるが、筆者はこのパネルを閉じた後、再び表示させる方法がわからなくてやや苦労した。上のメニューからでは表示させることができず、Photocastを公開したアルバムを選択しているときに左下の情報を見るボタン「iボタン」をクリックし、情報を表示する。そのあと、url部分をクリックすると表示することができる。Photocastを知らせるメールを新たに送るときはここから行うことができる。
今回のバージョンアップで筆者が最も面白いと感じているのは、カレンダーの作成だ。今までもフォトブックを作成することができたが、今度は同じようにしてカレンダーを作成することができるようになっている。このカレンダー機能で作成できるのは通常のカレンダーのように、各月に1枚や2枚大きい写真を掲載するタイプのカレンダーだけではない。各日付にコメントを入れたり、写真を挿入したりすることができる。その気になれば、365日すべてのに違う写真を入れることも可能だ。
もちろんフォトブック同様、完成したカレンダーは注文することができる。食べ物写真を撮るのが趣味の筆者は、その日に食べた食べ物カレンダーを作ったりしている。もっとも、このような日記風の使い方だと、印刷して本来の用途としてのカレンダーとして使えないのだけが残念だ。
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