サンフランシスコ発--Symantecの最高経営責任者(CEO)は米国時間5月8日、同社が新しいアイデアを武器に、Microsoftのセキュリティソフトウェアを迎え撃つつもりであると述べた。
John Thompson氏はサンフランシスコで毎年開催されるSymantecの「Vision 2006」カンファレンスにおいて報道陣を前に、今後1年間は研究開発により多くのリソースを割り当てる予定だと述べた。
「われわれの戦略は、Microsoftよりも革新的な技術を生み出すことだ。われわれは、Microsoftよりもセキュリティというものが分かっている」(Thompson氏)
Symantecは、Microsoftが次期オペレーティングシステム「Vista」向けにセキュリティ製品を開発していることを受け、このような強気な発言をしている。
「今もSymantecとMicrosoftは競合している。Microsoftとの競争は避けられない」(Thompson氏)
Microsoftは一般ユーザーを対象に開発中のセキュリティサービス「Windows Live OneCare」を、6月に米国でリリースする予定だ。同サービスはウイルス対策、スパイウェア対策、およびファイアウォールの各ソフトウェアと、バックアップ機能および複数の調整用ツールをWindows PC向けに組み合わせた製品。Microsoftのエンタープライズ製品「Client Protection」のリリース予定日は未定で、現在制限付きベータ版がテストされている。
Symantec(本社:カリフォルニア州クパチーノ)がMicrosoftにけんかを仕掛ける発言をするのは、今回が初めてではない。Thompson氏は4月、Microsoftをセキュリティ市場の新参者と呼んでからかった。また同氏はSymantecの展望に関して、ウイルス対策ソフトウェアや他のシステム保護ツールだけでなく、包括的なシステム保護に関するあらゆるサービスを提供することを強調した。Visionカンファレンスでも同氏は同じことを述べている。
Thompson氏は講演で、Microsoftのセキュリティに関する実績にも言及した。Microsoftは、これまでソフトウェアの脆弱性に関して多くの非難を浴びてきた。
「Symantecがもつグローバルブランドの強みを活かすことができるだろう。Symantecはセキュリティと同義語だ。Microsoftにも同義語は多数あるが、その中にセキュリティは含まれていない」(Thompson氏)
同氏は、Symantecがマーケティングに多くの資金を投入する予定であることも付け加えた。さらにMicrosoftがセキュリティ市場の勝者になるという予測は存在しないと述べる。SymantecはMicrosoftのシステムを使用する顧客を保護するためにも資金を投入する予定だ。
「われわれは、Windows環境が他の環境と同様に保護される必要があると信じている。(Microsoft)製品のセキュリティを強化することが今後の重要な投資分野になるだろう」(Thompson氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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