Kyle MacDonald氏は、一見したところ不合理以外の何ものでもないプロジェクトをまもなく成功させようとしている。このプロジェクトで、同氏はブログの力を借りながら、赤いペーパークリップを手始めに物々交換を重ね、1軒の家を手に入れようとしている。
昨年から家探しを始めたMacDonald氏は、カナダや米国の人々と物々交換を重ね、現在はアリゾナ州フェニックスの家を1年無料で借りている。
同氏は「one red paperclip」という自分のブログで、自分が履歴書を留めるのに使ったペーパークリップを手はじめに物々交換をしながら、最終的に家を1件手に入れるという意図を発表した。そして、同氏は目標達成までもうあとわずかのところまで来ている。
「これが病みつきになっている。自分が物々交換を続けて最終的に家までたどり着きたいという話は、あまりにも多くの人に知れ渡ってしまった。ここまで来て失敗したら惨めすぎる。世界中のどこでもいいから家を手に入れたい。交換を続けて家を手に入れ、そこに引っ越すなんてめったに経験できることではない」(MacDonald氏)
26歳のMacDonald氏は現在モントリオールで暮らしているが、昨年はフリーターを続けながら旅をしていた。このプロジェクトは、もともと同氏が子どものころ友人と遊んだ「わらしべ長者」ゲームのネット版として始まったものだが、いまではこれが同氏の本業になってしまった。また、そこから同氏の成功を願うインターネットカルトも生まれている。人気の高いboingboingなどのブログも数カ月前から、同氏の進展具合を追っている。
MacDonald氏のこれまでの経過は以下のようになっている。
- ペーパークリップを魚の形をしたペンと交換
- 魚の形のペンを面白い顔の付いた陶製のドアノブと交換
- 陶製のドアノブをキャンプ用のコンロと交換
- コンロを発電機と交換
- 発電機をビヤ樽付き「パーティーセット」と交換
- 「パーティーセット」をスノーモービルと交換
- スノーモービルをカナダのブリティッシュコロンビアへのパッケージ旅行と交換
- 旅行を小型トラックと交換
- 小型トラックをレコーディング契約と交換
- レコーディング契約をフェニックスにある賃貸住宅と交換
MacDonald氏は、物々交換のたびに新しく手に入れたものを公開し、これを見ただれかが次の問い合わせをしてくるのを待つ。そして、自分のブログの読者からの意見を参考にどの申し込みを採用するかを判断している。
「私はモントリオールに住む、インターネット回線とペーパークリップしか持っていないただの男だ。10人の協力者が名乗り出て助けてくれなかったら、いまだに自分の机の上の赤いペーパークリップしか持っていなかっただろう」(MacDonald氏)
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