カリフォルニア州サンフランシスコのハイテク通りなどでノートPCの盗難が増加するなか、ある起業家が、以前から車で利用されている(一方で、睡眠中の人たちからは不満が相次ぐ)セキュリティ対策機能をノートPC向けに開発した。
警報システム「iAlertU」を開発したRandy Green氏は、「ノートPC対応の自動車用盗難防止警報器だ」と語っている。同製品には9.95ドルの価格が設定され、Green氏のサイトであるSlappingturtle.comで5月から発売される見通しだ。
Green氏はApple Computerの「MacBook Pro」の設定を変更し、同コンピュータのリモコンを使ってセキュリティシステムをセットできるようにした。コーヒーショップを頻繁に利用するコンピュータユーザーが朝のカフェラテを飲むために車を離れたくなったら、リモコンのボタンを押すだけで警報システムが起動し、耳慣れた自動車用盗難防止警報器の確認音が聞こえてくる。
警報システムの起動後にコンピュータを揺らすと、大音量でサイレンが鳴り、コンピュータの画面が点滅する。
「Macを盗ませるな」というのがGreen氏のキャッチフレーズだ。Appleにコメントを求めたが回答は得られなかった。
San Francisco Chronicle紙によると、サンフランシスコでは2004年に18件だったコンピュータの盗難が2005年は48件へと急増しているという。同市では、2006年の当初3カ月だけで同種の犯罪が既に18件発生しており、2006年には70件を超える勢いだ。
3月にも、2500ドルのPowerBookを持っていた男性が、2人の強盗に刃物で刺され、肺が一部破裂するという事件が起こっている。
サンフランシスコ警察で強盗事件を担当するJohn Loftus警部補は、Green氏のソフトウェアには抑止効果があるかもしれないが、コンピュータを盗むことを決意した人間は止めようがないと指摘する。
「コンピュータをつかんで逃げ去る犯罪者に対して、効果のほどは分からない。アラームが鳴ったら、コンピュータを地面に向けて投げ捨てていくかもしれない。いずれにせよコンピュータはそれで終わりだ。ただ、抑止効果があることは確かだ」(Loftus警部補)
MacBook Proのリモコンは、通常は映画、写真、あるいは音楽を鑑賞する目的でFront Rowアプリケーションの操作に使う。だが、本業の合間にソフトウェアを開発するミズーリ州グリーンウッド在住のGreen氏は、リモコン機能に優先して動作するようプログラムを書いた。
Green氏のソフトウェアはMacBook Proに搭載された緊急モーションセンサも利用している。これはAppleが設計した機能で、同コンピュータを落としたときにハードディスクを停止させることで保護する仕組みになっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」