デジ・アナに対応するドコモ初のテレビケータイ──NTTドコモ P901iTV

NTTドコモ
内容:ドコモユーザーである僕が待ちこがれていたのが、初のテレビ視聴に対応したFOMA P901iTV。2006年4月からサービスがスタートするワンセグとアナログチューナーと両方に対応し、どこにいてもテレビを視聴できる環境を提供してくれる。早速テレビ大好き「テレビっ子」の目線で使ってみた。

テレビらしさと久しぶりのアンテナ

  • P901iTVを握ったところ。厚さが27mmあり、ちょっと手の中には収まらない。

 NTTドコモからリリースされた初のテレビケータイ、FOMA P901iTVは、ケータイの機能としては型番からも分かるとおり最新の902iシリーズ標準ではなく、1世代前の901iシリーズ相当になる。大きさ51×110×27mm、重さ145gという筐体は、他のケータイと比較するとかなり大きく重たい部類に入る。メインディスプレイは2.5インチ半透過TFT液晶を備えて迫力充分。その背面にはモノクロ縦長のサブディスプレイを備える。

 カメラはアウトカメラが202万画素 v Maicovicon。オートフォーカスは備えておらず、マクロ撮影はスライドスイッチでの切り替え式。最近のパナソニックモバイルはオートフォーカスを搭載しない点で他の各社に比べると見劣りしてしまう。テレビ電話や自分撮りのためのインカメラは10万画素CMOSが、ディスプレイ上部に用意されている。記録メディアはminiSDスロットを備えているが、テレビ録画を行うことはできず、ケータイで撮る写真やムービーくらいしか使い道がないのは残念だ。

  • 端末右側面。miniSDカードスロットがある。

 生活メディアとしてのケータイとしてテレビを飲み込んだと位置づけられるが、もう一つの生活メディアとなりつつあるおサイフケータイの機能も搭載している。背面にFelicaマークがあり、カメラを取り囲むようにして堅めのゴムのような緩衝材が配置されている。Felicaを使う際の端末本体への傷や衝撃防止の役割を果たしているのは、他のパナソニックモバイル製Felica端末と共通仕様である。ちなみにカスタムジャケットには対応していない。

 この端末には久々にアンテナがついた。ドコモのケータイではFOMAになってからいわゆる以前の「ケータイらしさ」の象徴だったアンテナがなくなり、出っ張りがないすっきりしたデザインになった一方で、伸ばしたり縮めたりする動作ができなくなったことを残念がるユーザーもいた。しかしこのアンテナはケータイの電波用と言うよりはテレビ用。そのことをアピールするような一工夫がされている。

  • 端末背面。202万画素νMaicoviconカメラとマクロスイッチがあり、これを取り囲むような緩衝材。おサイフケータイ対応。

 正面から見てヒンジ部の右側に据え付けてあるアンテナは、引き出すと根元を中心に上下左右に動かすことができる。その様子はまるで携帯型テレビ。そんなテレビっぽさが表れているデザインだ。なお同封されているイヤホンにもアンテナが内蔵されており、感度の良い方を用いるそうだ。東京の郊外を含む各所で使ってみたが、デジタル放送に関してはアンテナを伸ばさなくても感度2〜3でキレイに視聴することができた。ただし地下鉄や車道のトンネルに入ると全く見えなくなる。アナログテレビのように映りが悪くなることはなく、映るか映らないかという感覚だ。

「鶴の首」で3スタイル

 P505iSかP506iCが登場した際に手首を鶴の首のようにくるくると動かして製品をアピールするコマーシャルが流れていたのを記憶しているが、P901iTVは以前のmova端末で人気があった回転2軸ヒンジを採用した。これにより端末を開く動作、首を右や左に傾けて横長の画面を確保する動作、画面を上にして閉じる動作など、先ほど紹介したアンテナのように自由自在に動かすことができる。設定することによって、端末の姿勢を変えることでデジタルTVもしくはアナログTVを起動することが可能。

 そんなスイッチにもなっているこの「鶴の首」デザインを使って、3パターンのポジションでテレビを見ることができる。

 まず1つは普通に端末を開いて見るパターン。これは通常ケータイの一般的な機能を使う際のスタイルと同じで、画面を見ながらボタン操作をすることが可能になっている。画面は縦使いになり上半分にテレビが、下半分はBMLブラウザが表示される。通常の地上波デジタルでもデータ放送で番組やニュースやテレビ局の情報を見ることができるが、ワンセグ放送でも同様である。通話ボタンでテレビ放送の操作とブラウザの操作を切り替えると、ブラウザの画面をスクロールしたりリンク先をたどったりすることが可能だ。

 2つ目のスタイルは2種類ある。開いた画面を右か左に傾けるスタイル。こうすると端末のボタンがある部分を握りながら画面いっぱいにテレビ放送を視聴することができる。この際、縦使いの際に表示されていたBMLブラウザの画面は出てこなくなる。画面下部には左から電池マーク、FOMAの電波表示、タスクアイコン、チャンネル、ワンセグの電波表示、ボリュームと並ぶ。初めのスタイルと同様、テレビを見ながらのボタン操作が可能。1つめのスタイルの時もそうだが、ダイヤルキーで選局が可能なのは便利だ。左右どちらに傾けるかは利き腕や好み次第と言うことになる、どちらに傾けても上下は自動的に入れ替わる。

 3つ目のスタイルはメインディスプレイを表に向けて端末を閉じるスタイル。正面から見ると完全に携帯型のテレビになる。この際画面の上下はアンテナが左上に来る向きにセットされる。すると端末の上辺の音量・チャンネル・録画ボタンを操作しやすい。僕はこのスタイルにする場合、端末を手のひらに載せるカタチになるのだが、どちらかというと2つ目のスタイルの方が長い時間持つ場合には適しているように思う。

 またメインディスプレイを横長に使う場合に共通なのだが、端末のスピーカーは画面の長辺の両脇に配置されているため、せっかくサラウンド機能がある音声がうまく左右から聞こえてこないのは残念だ。ちなみに音声モードはノーマル・ダイナミック・ボイス・トレインから選択でき、自動音量設定のON/OFFもできる。音量については静かに家で聞いているなら十分だが、駅など街中では最大音量でも聞き取れなかった。出先では同封のイヤホンを使って聞くことになる。

  • 端末右側面。左からイヤホンマイクコネクタ、チャンネルと音量ボタン、録画・シャッターボタンと並ぶ。

  • アンテナは引き出すと根元を中心に自由に動かせる。テレビらしさをアピール。

  • スピーカーはメインディスプレイの左右にスリットが切られている。

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