ボストン発--IntelとRed Hatは米国時間4月4日、あわせて17カ所の開発センターを開設する計画を発表した。両社は、この施設を顧客やビジネスパートナーに解放し、Linuxの動く最新のハードウェア上で、彼らが開発したソフトウェアが動作するかどうかを確かめられるようにしていく。
両社は、Red Hatの3カ所のオフィスに大規模なセンターを設けるほか、小規模なサテライトセンターも14カ所開設すると発表した。プログラマーはこの施設を使って、自分の書いたソフトウェアが仮想化技術のような最新の機能ときちんと連動するかどうかを確かめることができるようになる。仮想化技術とは、マシンの効率化を図るため複数のオペレーティングシステムを同時に1台のコンピュータ上で動作させる技術のことで、通常は顧客の手元では利用できないハードウェアやソフトウェアが使用されている、とIntelのDirk Hohndel氏(Linuxおよびオープンソース戦略担当ディレクター)は述べている。
「小規模な再販業者にとって、リリース前のハードウェアと既存のオペレーティングシステムの修正バージョンを手に入れることは非常に難しい」とHohndel氏はボストンで開催注の「LinuxWorld Conference and Expo」で語った。「これは次に来る最新の優れた技術を動作させるための直接的なソリューションだ」(Hohndel氏)
また両社は、Red Hatの「Global File System」のサポートにも重点的に取り組んでいくと、Red HatのBret Hunter氏(パートナーマーケティング担当ディレクター)は語った。
今回発表されたような施設の開設は、コンピュータ業界では珍しいことではない。だが、このことはLinux開発関連の市場が徐々に成熟していることを浮き彫りにしている。Linuxの創成期には、ハードウェア関連の最新機能のサポートに関して、LinuxがWindowsより数カ月遅れることがよくあった。
しかし、Intelは現在、Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏のようなLinuxプログラマーに最先端の開発環境を提供しようとしている。Hohndel氏は、Intelから次の四半期にリリース予定の次世代のノートパソコン用デュアルコアプロセッサに触れ、「Linus氏は現在『Merom』ベースのシステムを使用しており、これを大変気に入っている」と述べた。
Hohndel氏によると、Red Hatのソフトウェアセンターには次世代のサーバ用プロセッサ「Woodcrest」を搭載するサーバが設置されるという。そして、これらのシステムがIntelの「Input/Output Acceleration」技術と呼ばれる機能を搭載して出荷される際、RHELは現行バージョンのアップデート版でその機能をサポートすることになっている。
いくつかのIntel製プロセッサは、仮想化を容易にする機能をサポートしており、また今四半期にはこの技術をより広範な市場に持ち込むために主流のサーバをサポートする。Intelと競合するAdvanced Micro Devices(AMD)は、仮想化技術に関して遅れをとっているが、「AMD-V」という同様の機能をLinuxWorld Conference and Expoで披露した。この機能をサポートするチップは、数カ月以内にリリースされる。
今年中に登場予定の「Red Hat Enterprise Linux 5」や競合する「SuSE Linux Enterprise Server 10」(今年夏に登場予定)は、それぞれXenのソフトウェアを搭載して、仮想化技術をサポートすることになっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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