インテルがブラジル向けベンチャーファンドを設立

文:Michael Kanellos(CNET News.com)
翻訳校正:佐藤卓、長谷睦
2006年03月29日 19時13分

 半導体メーカーIntelの戦略的投資プログラムであるIntel Capitalは、ブラジルの新興企業に対して5000万ドルを投資するベンチャーファンドを設立した。これは新興国における事業拡大を続けるIntelの取り組みの中で、最新の動きと位置づけられる。

 投資先企業は多岐にわたる予定だが、特にWiMAXなどのワイヤレス技術に取り組む新興企業を対象にすると、Intelの広報担当者は語った。Intelは既に、Digitron、TelecomNet、Certsignをはじめとするブラジルの新興企業13社に対して約3500万ドルを投資している。従って、Intelのブラジルへの投資総額は、新ファンドを合わせておよそ8500万ドルに達する。今週、Intelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏はブラジルに滞在し、一連の会合に出席している。

 ブラジルは、ロシア、インド、中国とともに「BRIC」と呼ばれる。この4カ国は、今後数十年の間に地域市場およびハイテク産業の中心地として、世界でも最も急速な成長を遂げると期待されている。しかし、IBMのある幹部の指摘によると、このうちブラジルとロシアの2カ国は、地元のハイテク産業の成長を妨げる犯罪や政治不安などの問題を抱えている点で、インドおよび中国と大きく異なっているという。

 Intelは長年にわたり、ベンチャー資金による新興市場の活性化を企業戦略としてきた。Intelの会長を務めるCraig Barrett氏は2005年、サウジアラビアのリヤドを突然訪問し、中東向けに5000万ドルの投資ファンドを設立すると発表した。また、同社はロシアインド、中国向けのファンドも設立している。

 過去数年間で、Intelは世界でも有数のベンチャー投資企業として頭角を現している。同社の投資は金銭的利益を求めてのものだが、ベンチャーファンドに関しては、新製品の開発を支援し、最終的には新型コンピュータなど、Intel製の半導体チップを搭載する製品に対する需要を促進するのが主な目的だ。Intelでは、大規模な汎用ファンドだけでなく、投資対象を限定したファンドも複数設立している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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